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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
俺というのは成瀬の席ではなく、元俺の身体の方。
なんだ?
「やだぁ…今日の大貴君カッコイイ」
「君はいつも可愛いよ…昼休み二人きりになれるところ行く?」
「ずるーい!あたしも行きたいー」
誰…?あいつ…寒気がするんですけど…あ!萌は!?
教室を見渡すと、萌は窓の外を見ている。
うわぁぁ…何なんだよ…
「よ、吉野!」
「ん?あぁ…昨日の夜家に帰れたんだよ」
「んな事いいから!ちょっと来い!」
「仕方ないな…みんな残念だけどまた後でね」
俺の身体を連れ出した。
「昨晩はお楽しみだったかな?」
「う…お前毎日あんな生活してんのか?」
「まぁね。メイドの子達には強制はしてないよ」
「あ…そう…それより!俺の格好でさっきみたいな事やめてくれよ」
「それを言うなら俺の格好で制服だらしなく着るのは止めてくれ。君だって髪型と制服を整えればなかなかイケるんだから前からこうすればよかったのに」
「…わかった!制服ちゃんと着るから…その…特に萌の前では止めてほしい」
「ほう……わかった。じゃあ、萌ちゃんと俺が付き合えばいいんだな?今から告白してこよう」
「ちょっと待て!付き合ったら手出すだろ」
「当たり前じゃないか!萌ちゃんにだけ俺のすべての愛を捧げるよ」
「あぁぁ!どうすりゃいいんだよ!」
「不満なのか?」
「萌が他の男に手を出されるの嫌だけど…俺なんだよな…くそ…そうだ…この身体で」
「言っておくが、俺は結婚するまで特定の彼女は作らない事にしているんだ」
「よし。今すぐ戻ろう!もう成瀬の生活は充分だ!」
「ふ…俺はもうしばらく吉野でもかまわないよ。萌ちゃんとは付き合うか、付き合わないのなら色んな女の子と遊ばせてもらうよ」
「グギギ…とりあえず保留でお願いします…」
「わかった。君はとにかく俺の質を下げないように努力してくれ」
何か良い案はないだろうか…