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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
事が終わると桜は泣いていた。
「…桜。ごめんな」
あの成瀬が謝った。
「ふぇッ…違うんです……ふあぁッ……桜…結翔様に触られてるのか…結翔様のお友達に触られてるのか…ふぇッ…全然わからなくて…ヒックッ…結翔様のメイドなのに悔しいんです…」
桜を抱き締めてやる。
「桜…大丈夫だ。桜に触ってたのは全部俺で合ってるよ…いれたのは吉野だったけど…それも気付いたよな」
「成瀬の以外は嫌だって言ってたのにごめん」
「ふうぅッ…いえ…でもぉ…なんだか…結翔様なんじゃないかと……不思議な気持ちでした…」
桜はよっぽど成瀬の事が好きなんだな…
「……桜、シャワー浴びて来いよ。俺の部屋の使え」
「え…でも…そんな…」
「こいつと話あるから。これ命令だぞ?」
そう言うと桜は頭を下げてシャワーを浴びに行った。
「成瀬…やっぱり一刻も早く元の身体に戻ろう」
「…出来るもんなら俺だってそうしたいよ」
「ぷっ……この前と言ってる事違うな」
「……俺には庶民の生活は向いてない。それに虎之助に取られたメイドも取り戻さないと」
「それ必要ねぇじゃん。桜だけで充分だろ?いい加減素直になれよ」
「……」
しかし、元に戻るって言ってもどうやって…
「入れ替わったのって二人で階段から転がり落ちた時だったよな」
「……再現するつもりか?打ち所悪いと危険だぞ」
「確かに俺の身体半日気失ってたしな」
「帰ったら事例がないか調べてみるよ。吉野も何か良い案を考えておいてくれ」
成瀬が帰る支度をしていると桜がバスルームから出て来た。
「あ!お帰りになられますか?」
「あぁ…またお邪魔させてもらうよ。桜とのセックス最高だったよ」
「ふぁ///そ、そんな///桜何もしてないです…」
成瀬もいつもの調子に戻ったか。まぁ…俺の姿でやめてほしいんですけどね。
桜と三人で部屋を出て、階段に差し掛かった時だ。
「お足元ご注意くださいませ…ふわッ…」
桜が躓いて階段から落ちそうになった。
「桜ッ!」
俺と成瀬は同時に身体が動いた。
成瀬が桜を階段と反対の方へ引っ張ると同時に俺と成瀬は一緒に転げ落ちる。
このシチュエーション前にもあったような………