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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
二人とも特に異常はなく、幸いにも外傷もまったくなかった。
親父が車で迎えに来てくれてすぐに家に帰ることが出来た。
親父と会うのもすごい久しぶりだ。
「また階段から落ちたって聞いてお父さんビックリしたよ…無事で良かったけど気を付けなさい」
「あぁ!わかった!今度からすげぇ気を付ける!」
「なんだなんだ?なんだかまた少し前の大貴が戻ったな?最近、急に礼儀正しくてどうしたのかと思ってたけど…」
家に着くと家の前になんと萌がいて、車が停まると俺は急いで降りた。車から降りると萌は抱きついてきた。
「大貴!大丈夫なの!?」
「萌……あぁ…なんともないよ」
「萌ちゃんずっと待っててくれたのか!?ごめんごめん!まさかここで待っててくれてるなんて思わなくて!ほら、二人とも家に入って」
あぁ……家も久しぶりだ…。
っつーか家の中めちゃくちゃ綺麗になってね?
自分の部屋入ると、俺はネクタイを緩めてベッドの上に座った。
すると萌が俺をジーッと見ている。
「……なんだよ?」
「……また頭打った?」
「はぁ?」
「ふぇ…前の大貴だぁ…ふああぁ」
「なんなんだよ!?あー!泣くなよ!ほら!」
なんでわかるんだ?俺は萌を抱き締めた。
「ふええぇッ…あたし…ふぇッ…あたしこっちの大貴がいいのぉ…」
「わかった!わかったから泣くのやめろって…」
「もうネクタイちゃんと締めてって言わないから…ふあぁッ…もう変な大貴にならないで」
泣きじゃくる萌の背中をさすってやる。