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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
拾おうとすると、俺が拾うより先に誰かが拾った。
「あ、すいません……って…え?」
「いいえ…はい、どうぞ…あ!吉野様ぁッ」
「桜!?なんで学校にいんの!?」
「へ?大貴…誰ぇ?」
「えーっと…成瀬のメイド?」
桜は何故かうちの学校の制服を着ていた。
「桜…勝手にウロウロするんじゃない」
「結翔様ぁ、吉野様がいらっしゃいますよぉ」
桜はやってきた成瀬に抱き付いた。
「吉野、おはよう」
「あぁ…おはよう……どういうこと?何で桜が学校にいんの?」
「結婚した」
「は!?」
「昨晩、桜と籍入れてきたんだ。学校でも一緒にいられるように今朝早急に桜を学校に入れたよ。後日結婚式も盛大に行う予定だ。吉野も呼ぶから。萌ちゃんも是非出席してほしい」
「あ、はい!喜んで!」
「それは…えーっと…おめでとう?」
「ありがとうございますッ…桜、結翔様と一緒になれて幸せです」
行動が突然過ぎてただ驚くばかりだ。
「成瀬君がまさか結婚するなんて…っていうか大貴って成瀬君とそんなに仲良かったっけ?」
「別に仲は良くないけど…ちょっと色々あったからな…」
あの成瀬に群がってた女子達はどうなるんだ?
成瀬ファンの女子達から大ブーイングが起こるのではないかと思ってたけど、どうしたかはわからないが誰一人としてブーイングはなかった。
むしろ桜とのことを全員が祝福していた。
成瀬の手に掛かれば何もかもうまくいくように出来てるのか?
まぁ二人が幸せならいいか。