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僕たちの大切な人
第2章 わがままプリンス☆


その日の放課後。


虎ちゃんは成瀬君と桜ちゃんのところに行ったので私は祐一君のクラスに難なく行くことが出来た。


「祐一君♪帰ろう?」

「……帰る約束してたんだっけ?」

「してたよ!もしかして用事ある?」

「……別に。勝手に着いてくれば?」


私は小走りで祐一君に着いていった。
こう見えても祐一君は優しいんだから…

去年の夏に窓の空いた教室に入ってきたカブトムシが私の背中に張り付いて、虫の苦手な私が泣いている時、それを取ってくれたのがキッカケで祐一君の事を好きになった。

帰り道何も話さなくても一緒に帰れるだけで幸せだった。

いつもはほとんど話さないけど今日は少し違う…

「……そっちのクラス。転入生来たんだって?」

「え?あー…うん。成瀬君の従兄弟なんだって」

「気に入られてるって聞いたけど」

「全然そんなんじゃないよ!女の子なら誰でも良いって感じで!」

「あ、そう。」

「みんなカッコイイって言うけど…あたしは興味ないし…」

私が好きなのは祐一君という事をアピールする。
しかし、やっぱりあれだけ目立つから他のクラスにまで話行っちゃうよね…



あっという間に帰りの時間が終わってしまう。


「祐一君…明日も一緒に帰っていいかな?」

「明日は明日になんないとわからないな…」

「そっかぁ…じゃあ明日また誘うね!」

祐一君はスタスタと行ってしまった。


んー…やっぱり脈ないのかな…。
どうしたら私に興味持ってくれるんだろう?

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