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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
「……成瀬さんは特に問題ありませんね。軽い打撲だけです。良かったですね」
「え!?いやいや!頭ちょっと変なんですけど!?俺が俺じゃないような…元々、俺がアッチなんだって!」
「少し混乱してるだけでしょう。もう帰っても大丈夫ですよ」
全く取り合ってくれない…っつーか本来の俺の身体はどうなった?
病院の受付で俺の本体の場所を訪ねる。
「吉野大貴さんですね?」
「はい」
「202号室ですけど…案内してあげよっか?」
突然看護婦のお姉さんの目つきが変わったのがわかる。
完全に獲物を狙う目だ…
「ウエ!?だ、大丈夫です!」
俺が去ると受付の奥で歓声が上がる。
「今の高校生見たー?超イケメン!」
「さっき吉野さんと一緒に運ばれた子だよね!?入院すればいいのにぃ!」
「担当したぁい」
………うん。
成瀬になるのも悪い気分じゃないな。