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僕たちの大切な人
第1章 僕たちの大切な人
病室の方に向かうと前からドンッと走ってきた誰かとぶつかる。
「ふえッ…ごめなさッ…」
「いや…ってあれ…?」
萌だった。
萌は俺が声を掛ける間もなく走って行ってしまった。
泣いてた!?まさか…俺……
急いで病室に飛び込んだ。
「ゃあん…大貴君もうおしまい」
「なんで?もっと見せてよ………あれ?」
「キャッ!」
なんと、ベッドで俺の上に乱れた姿の看護婦さん…!?
俺に気付いた看護婦さんは急いで出て行った。
「俺の体で何してんだよ!?」
「看護婦さんとエロい事?」
「そうじゃなくて!って、なんで俺見て驚かないんだ!?」
「あぁ…入れ替わっちゃったみたいだね?」
「この状況あっさり受け入れてんじゃねぇよ」
「こうなっちゃったら仕方ないし…そのうち戻るんじゃない?」
なんでこいつこんな冷静なんだ?
……もしかしてさっき萌が走って行ったのって…外に泣きに行ったわけじゃなくてさっきのあれ見て帰ったのか!?
「いいか!?俺の身体で変な事するなよ!?」
「なんで?それよりどこ行くんだ?」
「さっきのお前見て萌が泣いて帰ったんだよ!弁解しにいかないと!」
「萌ちゃんかぁ…あの子可愛いよな。さっき看護婦さんとシてる時に一緒に混ざらないか聞いたら出て行っちゃったけど恥ずかしかったのかな?」
あぁ…俺の童貞…
「ふざけんな!何してんだよ!?」
「もしかして彼女だった?」
「いや!彼女じゃねぇけど…あいつには手出すなよ」
「何言ってんだ?チャンスがあれば手出すけど?前に誘った事あるんだけど断られたんだよなぁ…萌ちゃん吉野の事好きっぽいしこの身体なら受け入れてもらえそう」
「俺達はそんなんじゃねぇよ!でも…頼むから手は出さないでほしい」
「萌ちゃんが他の男に触られるの嫌なのかぁ…ふーん」
くそ…この狂ったペースに合わせてると俺のペースが狂う…。
「でもさ、その格好で萌ちゃんのところいってどうすんの?」
「わかんねぇけど…とにかく行かないと…」
俺は病室を出て萌を追い掛けた。