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僕たちの大切な人
第2章 わがままプリンス☆
「若葉、別に緊張する必要ねぇよ」
「ハッハッハ!楽しく食事をしようじゃないか!さぁ、掛けなさい」
虎ちゃんが椅子を引いてくれる。
ちゃんとエスコートしてくれてる…意外と紳士的なのかな…
「し、失礼します…」
「虎助、風呂でのぼせたと聞いたがもう大丈夫なのか?」
「…別にたいしたことねぇよ」
「そうか。ならいいんだが…いやー、虎助が社会勉強の為に結翔と同じ学校に転入したいと言って理事長に無理言って入れて心配していたが…転入初日からこんな可愛い子を見つけてくるなんてなぁ!ハッハッハ!」
成瀬君と目が合うと申し訳無さそうに頭を下げられる。
「虎助、結翔が結婚してお前も羨ましくなったのか?」
「…もう結翔で遊んでも楽しくねぇからな」
「ハッハッハ!二人とも大人になったなぁ…若葉さんはお父さんもうちの会社のエリートコースの優良な人材でもあるし、虎助の相手にピッタリだ!これでうちの会社の将来も安心だ!」
「へッ…あ、あたし…そんな…」
「伯父さん。葛西さんは虎之助が気に入って無理矢理連れて来られたんだから勝手な事言わないでください」
成瀬君がビシッと言ってくれる。
お父さんが会った人って成瀬君なんじゃないの…?
「そうかそうか…そうして並んでいるとお似合いの二人だと思ったんだか…」
「チッ…結翔、余計な事言いやがって。俺達はこれからなんだよ!まだ出会って初日だぞ?俺はチャンスがあれば絶対若葉を落とす!」
虎ちゃんはテーブルの下で私の手を握った。
…もう!こういうことされるとドキドキしちゃうんだってば!私、本当こういう耐性ないんだよね。。
虎ちゃんのお父さんは虎ちゃんと成瀬君のやり取りを微笑みながら見ていた。
お夕食はフランス料理のフルコース。
虎ちゃんのお父さんとも優しくて気さくな人だったので、すぐに緊張もほぐれてお料理もすごくおいしかったしお食事が終わると幸せな気分だった。