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僕たちの大切な人
第2章 わがままプリンス☆
祐一君が連れて行かれると虎ちゃんは私にブレザーを掛けてくれて立つのを手伝ってくれる。
「…立てるか?」
「あ…キャッ…ごめ…足がまだ竦んでて…ふわッ」
虎ちゃんは軽々と私をお姫様抱っこしてくれて、公園の外に停めてあった車まで連れて行ってくれる。
「……あ、あの…祐一君…どうなるの?」
「さぁな…」
「へ!?」
「若葉の事探してて若葉の声が聞こえた時にうちの運転手に連絡させたんだ…………若葉ぁ!」
虎ちゃんは突然私をギュッと抱き締めた。
「怖かったよな!?見つけるの遅くなってごめん!」
「と、虎ちゃん…大丈夫だから…心配掛けちゃってごめんね」
「……若葉があいつと付き合ってもすぐに奪うって思ってたんだ…でも…よく考えたら大事に取っておいた若葉の処女いつ取られてもおかしくねぇじゃん?」
「え?う、うん?」
「それ気付いて焦って放課後若葉の事付けてたんだけどさ…途中で見失って…若葉の俺のこと呼ぶ声でやっと見つけて…」
いつも自信満々の横暴な虎ちゃんとは別人のように今の虎ちゃんは弱々しく声が震えていた。私はそんな虎ちゃんの頭を腕で包み込んだ。
虎ちゃんの家に着くと虎ちゃんはまたお姫様抱っこをしてくれる。
「虎ちゃんッ…あたしもう歩けるからぁ…」
そのままバスルームに連れて行かれる。
乱れた制服を脱がしてくれる。
「…まじで信じられねぇ…あんな不衛生な所で俺の大事な若葉を…」
虎ちゃんは私を丁寧に洗ってくれた。
私…虎ちゃんにこんなに大事にしてもらってたんだ…祐一君は私の事想ってない事に…虎ちゃんは私の事すごく想ってくれてることにどうして気付かなかったんだろう。
涙が溢れるばかりで言葉が出なかった。