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僕たちの大切な人
第2章 わがままプリンス☆
虎ちゃんはベッドを飛び降りて私の手を引っ張る。
「へ!?今!?」
「今日結翔来てるしちょうどいい!」
虎ちゃんに腕を引かれて虎ちゃんの部屋を出ると、虎ちゃんは近くにいた使用人の人を捕まえた。
「おい!父さんと結翔どこにいる!?」
「は…旦那様と結翔様でしたら今シアタールームで映画鑑賞しておりますが…」
シアタールーム…この家何でもあるのかな…って映画観てる途中にお邪魔していいの…?
私なんで虎ちゃんの押しに弱いんだろう?
防音になっている扉を虎ちゃんは豪快に開けて中に入る。
「父さん!結翔!お、桜も来てたのか!」
「虎之助…なんだよ?映画の途中で…おい、映画一時止めてくれ」
この映画…まだ公開してないやつだ…。
「俺、若葉と結婚する事にした!」
「オォ!ハッハッハ!結翔も虎助も似た者同士だな!」
「わあぁ!虎之助様おめでとうございます!」
「結翔!婚姻届の書き方教えろ!」
え…こんなにあっさりしてていいの!?結婚だよ!?
虎ちゃんのお父さんと桜ちゃんが祝福ムードの中成瀬君だけため息をついた。
「虎之助…お前結婚出来ないよ」
「ハ!?何でだよ!?父さん!結翔もしてるんだし、俺もいいだろ!?自分の事は全部責任もって自分で決めるって昔からそうしてるよな!?」
「ハッハッハ!そうだな…しかし…こればかりは…」
やっぱりそんな簡単な事じゃないのにぃ。
「なら、家出て行く!家出て結婚するなら問題ないだろ!」
「虎之助!よく考えろよ!お前誕生日いつだっけ?」
「あッ!虎之助様…」
「ハ?3月31日だよ!忘れてんじゃねぇよ!今そんなの関係ないだろ!」
虎ちゃん…誕生日がまだまだ先なんですけど…。
学年の最後の方…
「虎ちゃん…すごく関係あるんだけど…男の人は結婚出来るの18歳からだよ…」
「なんだと!?」
「ハッハッハ…虎助、お前はまだ若いんだから焦らずともゆっくり若葉さんと仲を育みなさい」
「全く人騒がせな奴だ…映画の続きを見させてもらうよ」
「虎之助様、若葉さんと両想いおめでとうございます!」
シアタールームを出ると虎ちゃんが落ち込んでいるのがすごくわかる。
ちょっと馬鹿なところも今では愛しくて仕方なかった。