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恋する妻が母になって
第3章 全裸のウェディング
「お姉と別れて欲しいんじゃないんです…」
「…じゃあ、なに?」
僕はまだ少し震える声で答えました。郁もまた、真剣な表情で僕を見ています。悠はずっと落ち着いた態度で、僕に説明しました。それは要約すると、ヨウのパパになりたいと望んでいました。もちろんそれは、郁を妻にしたいと同じ意味でした。

「悠、勉強頑張ったんだよ…」
郁が懇願するように僕を見ました。確かに悠は郁と出会ってから、どんどん大人になりました。長身でもヒョロッとした幼い肉体は今、いわゆる細マッチョの大人の身体になりました。そして長くても細い仮性包茎のあそこも、大人になっています。今の悠ならたぶん、若い恋人をつくることなど容易いでしょう。しかし悠は真剣に郁を愛していました。

「僕は郁と別れないよ…」
「あたしもお兄と別れない…でも」
「でも…?」
郁の返事はわかっていました。そして僕は椅子から立ち上がり、ベビーベッドのヨウの顔を覗き込みました。ヨウは何か嬉しい夢を見ているのか、眠りながら口元に笑みを浮かべていました。

「立会いって?」
僕は覚悟を決め、ふたりに話しかけました。ふたりは互いの顔を見合わせ、微笑みました。

「あのね、お兄は見てるだけでいいよ」
「見てるだけ?」
「そう、そこに座ってね」
郁がそう言うと、悠は慌ててベッドから下りました。そして寝室を出るとすぐに、ひとり掛けのソファを持って戻って来ました。

「どうぞ…」
悠は固い丸椅子ではなく、僕にソファを勧めてくれました。郁が悠に惚れている理由のほとんどは、誰に対しても優しい悠の性格でした。それは幼子のヨウにも伝わっています。僕は素直に裸のまま、ソファに座りました。

「じゃあお兄、始めるから…」
「見てるだけでいい?」
「うん。お兄、きっと興奮するよ…」
そう言った郁自身、顔が紅潮していました。僕はこれから始まることを想像し、胸が高鳴りました。まだあそこは小さいままでしたが、ジンジン痺れ始めました。

「お兄さん、これ…お願いします」
悠に頼まれ手渡されたものは、レースのベールでした。

「じゃあ、悠…」
郁が少し照れた笑みを浮かべながら、ベッドに戻った悠に声を掛けました。顔を見合わせたあと、ふたりは自分でお揃いのネックレスを外しました。そしてチェーンから銀の指輪を外すと、互いにベッドの上に並べました。
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