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恋する妻が母になって
第2章 浮気じゃないよ…
郁と悠の出会いはパート先のベーカリーでした。少し童顔の郁を人妻と知らず、悠が告白したのがなれ初めです。そして郁が結婚していると知り、大慌てで自分の行動を謝罪しました。アルバイトなのにいつも一生懸命で皆に好かれる悠に告白されたことは、郁にとって決して不快でなくむしろ嬉しいことでした。そして告白騒動の後も、郁は悠を年の離れた実弟に重ね見守っていました。

関西から大学入学のためやって来た悠は、アパートで独り暮らしでした。真面目な性格で同じパートのオバサンたちにも人気者でした。そして人妻の郁と悠が仲良くなることを、なぜかみんなが祝福してくれました。それほどふたりは仲が良く、周囲の人たちはお似合いに思っていました。

結果として僕の寝取られ性癖が後押ししたことは否めません。でもふたりが出会ってしまい、そして愛し合うことは運命的に不可避だったと思います。ふたりが別れることはないでしょう。その中に僕も入り、ひとりの女性をふたりの男が愛することに決めたのです。

話は4年前に遡ります。その日僕は仕事を定時であがり、まっすぐ帰宅しました。電車の中で、僕はずっと郁のことを思い続けていました。そして一刻も早く、郁を抱きたいと悶々としていました。駅を出ると僕は小走りになり家路を急ぎました。マンションのドアを開けると靴を脱ぐのももどかしく、寝室に駆け込みました。真っ暗な部屋のベッドで郁は裸で待っていました。約束通り悠とのセックスの跡を、郁はその裸体に纏っています。僕たちはすぐ、無言でお互いの身体を貪り合いました。ふたりともすぐ全身に快感が駆け抜け、郁はいつもより大きな声で喘ぎ続けました。

「お兄、喫茶店で自分でしたの?」
「うん、オナニーした…」
お互いに絶頂を感じたあと、僕たちはやっと一息つきました。そして今日の出来事を少しずつ話し始めました。僕は素直に、喫茶店のトイレで自分を慰めたことを告白しました。

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