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ハッテンlife
第1章 ハッテン場デビュー編
「悠真、スパ銭に行くなとは言わないけど、遅くなるならメールするなりしてくれないか?」

お父さんは眠そうな顔をして俺の頭をコツンと小突いた。
もしかして、寝ないで待ってたのかなぁ…?

「ごめんね、父さん」

だって帰ってると思ってなかったし。
あそこまでハードなプレイになると思わなかったから、ギリギリ終電で帰ってこれると思ってたんだもん。

「それに、友達。近藤くんだっけ?彼が家に来てさー、何事かと思ったよ」

うわ!近藤ってばうちまで来ちゃったのか!
まさかハッテンのことまで喋っちゃったのかな?俺、父さんにはホモ隠してるのに。

「…なにか言ってた?」
「なんかよくわかんないけど、帰ってきたら電話して、だってさ。でもまだ朝早いからメールにしとけば?」

スマホを取りだせば、近藤からの着信の山、山!
そこまで心配してくれんなら、小五の時彼氏になってくれればよかったのにー…。

「もう一回寝るか―」と言って父さんは玄関から去っていく。自室に引き籠ったら昼まで出てこないぞ。

その背中に呼びかけた。

「ねぇ、古橋さんってどんな人?」

俺は、古橋さんのチンコとテクと唇と、あと…lineのIDしか知らない。

「いい部下だよ。いい仕事取ってくるし、丁寧だし。気も利くしね」

眠そうな声で、少し面倒くさそうに父さんは答えてくれた。


俺の古橋さんのデータに「仕事が出来て気も利く」っていうのが上書きされた。

もっと、知りたい…かも。


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