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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第2章 アパートでの悪戯
翌日
包帯に吊り下げられたボクの姿を見て、ウチの社長は驚いていました
そして開口一番
「帰れ」
と言われてしまいました
どうやら昔、脚立から落ちたスタッフが居たらしく無理しない程度に仕事をしてもらっていたら
あとから治りが遅くなり、軽い障害が残ってしまった事が有ったそうです
医者に2週間と言われたので、そのまま2週間溜め込んだ有給休暇を消化するように言われました
結局その日は簡単な残務整理と引き継ぎの連絡だけ済ませて帰ることに
スーパーに寄って、数日分の食料品を買い溜めします
その日はいったん車を運転して出勤したのですが、さすがにハンドルをまわすと痛みが来ます
何度も家を出たくありませんのでクーラーの効いた部屋で巣ごもりしようと思います
早めの昼ごはんを食べてゴロンとしてたらいつの間にか寝てしまってました
目覚めたらもう夕方になっていました
今夜は眠れなくなるなぁ、と思っていたら玄関のチャイムが鳴りました
部屋のモニターを見ると、来客したのはサカタさんのようです
仕事終わりに寄ってくれたようです
「店に行ったらジロウくん当分来ないって言うからビックリしちゃった!
どうしたの?あれからヒドくなった?」
「いえいえ、違いますよ!社長命令です
有給休暇を使い切れっ!て言われました」
「そうなんだ……、あれから酷くなったのかと思ったわ」
「大丈夫ですよ、せっかくなんでゴロゴロしようと思ってます
それよりお店の方はどうですか?」
「ぜんぜんヒマよ、これだけ暑いと誰も来ないわよ
ちょっとあがっていい?」
サカタさんもスーパーで買い込んできたようです
「やっぱりクーラーしてる部屋は涼しいわね」
どうやらサカタさんは晩ご飯を作りに来てくれたようです
「悪いよ」
「いいのよ、やりたいだけだから
どうせ家に帰っても自分の分作るんだったら一緒に作ったほうが手っ取り早いし
でもここで作るより、家で作ったのを持ってきたほうが良かったかしら
それとも誰か作ってくれるようなヒトが来たりする?」
「誰も来ませんよ」
ボクがそう言うと、安心したようにサカタさんは台所のほうへ準備しに行ってしまいました