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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第4章 雨音はパートさんのささやき


その日の夜



サカタさんからのメールはありませんでした



もしかしたら、夜に連絡があるかなと待っていたんですが、深夜になっても音沙汰はありません



メールのやりとりになるとサカタさんは大胆になってくれたり、面と向かって言えないようなこともおっしゃられるので、少しやりとりができるかな、と思っていたんですがそのやりとりすら出来ません



正直いって、こちらから連絡する勇気もありませんでした



なぜなら、きっとケガを負わせた罪悪感からボクがやりとりを求めたら受け入れざるを得ないんじゃないかな、と思ったからです



人の弱みにつけ込んだような事はしたくありません



ましてや、とても良くしてくれたサカタさんに…




次の日、



昨日の土砂降りが嘘のような夏日です



セミの声がうるさいぐらい



ボクは出掛けるわけでもなく、部屋でダラダラとすごすことしか出来ません




日中はサカタさんもお店で働いてくれている事でしょう




でも



5時を過ぎてもサカタさんは来ませんでした



もう仕事は終わっているはずです




6時になっても、7時になってもかわりありません



そうそう毎日来るわけないんですが、

昨日の今日なのでどうしても顔を見たかったんですが…




ボクはワンルームの部屋でひとり、深いため息をついたのでした



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