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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第4章 雨音はパートさんのささやき


無理強いはしたくなかったし、



ましてや拒まれるとは思ってなかったから



胸への愛撫も止まってしまいました





胸への愛撫が終わると、サカタさんは息を落ち着かせて

ボクの腕を掴んで、シャツの裾から出してしまいました




サカタさんは向こうを向いたままです




無言のまま、



雨音だけが聞こえていました





ようやくサカタさんは身なりを整え、髪を手ぐしで揃えていきます




ボクはどうしたら良いのかわかりません



でも、ここまでなのはわかります




サカタさんは小さく「ごめん」と言いました







ああ、やっぱりここまでなんだな

とボクは悟りました





お風呂場で洗ってくれたり、


手でシテくれたり、


胸を見せてくれたりしたのも、




全部ボクがケガをしてしまったせいで、彼女が罪悪感から協力してくれた事を

〈好意〉として捉えて、勘違いしてしまったのかもしれません





もし、そうならボクのほうが謝らないといけません



人の気持ちを踏みにじってしまったかもしれないのですから




「ボクのほうこそ、すいません……


勝手に抱き締めてしまって……、


ましてや……触ってしまって……」





サカタさんは掛けておいた自分のTシャツを掴むと、紙袋に入れて玄関へ向かいました




「今日はかえるね」




サカタさんはローヒールのパンプスを履いてドアを開けます




ボクは蚊の鳴くような小さい声で、



「ありがとうございました」としか言えませんでした





ドアの外は雨



でも、サカタさんはそのまま外へ出ていってしまいました…




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