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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第5章 パートさんの明るいお手伝い


夜になりました




もうこの時間からサカタさんが来る事は無いでしょう




家のほうも家事やらやにやらで忙しいでしょうし、なんといっても入院中の旦那さんの件もあります




ボクのほうばかりかまっていられない筈です




さみしい気持ちはありますが、




ボクもそこまで〈カマッテちゃん〉ではありません





テレビはバラエティ番組を映していますが、そんなに真剣に見てもいませんでした




そんなとき、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴りました



ドキッとします



もともとワンルームの一人暮らしのアパートなんて、独身の会社員か学生さんしか居ないのですから、呼び鈴自体に慣れていません




ほとんど誰も来ないわけですから




それでも、このときばかりは胸がはずみます




当然、サカタさんが来てくれた!と思っていましたから




ドアを開けると、予想していなかった人が玄関先に立っていました




夜の大学生のアルバイトくん




「うぃっす!」



「お、おう…?」



どうした、どうした

とボクは焦ります





おいおい、なにかあったのか?と緊張します




すると背の高いバイト君の背後から、背の低い朝のパートさん、ウスイさんが手を広げて挨拶してきました



「こんばんはー!」


「こ、こんばんは……、どうしたの?」



このコンビはよく普段からカラオケ行ったりしているらしいので、特別驚きはしませんでした




なんなら、このふたりはこっそり付き合ってんじゃなかろうかと勘ぐったりもしていましたので




だから今日も、ふたりが何処かへ出掛けていた途中に寄ったのかな?と思いをめぐらせました




「はい、お見舞いだよぉ〜!」




と、コンビニ袋を差し出してきます




中にはコンビニスィーツが3つ入ってました




3つということは、今から3人で食べましょう、ということなんてしょうね?




「ど、どうぞ……」



と、ボクは中へ招き入れました……





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