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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第1章 パートさんからの依頼
「動かないヤツを診れたり出来る?」
「え? うーん、消耗品の交換ぐらいなら出来ますけど、、、」
「ウチの草刈り機、動かなくなっちゃったんだよね」
「ああ、そうなんですか!どうだろうなぁ、治せは出来ないかもしれないけど、診るぐらいならしますよ?」
「じゃあ、またこんど頼むね」
そう言ってサカタさんは店のほうへ戻っていきました
残ったボクはもう一回エンジンを掛けて、刈り残した場所の続きをしていきました
その後、数日間サカタさんは故障した草刈り機を持ってくるわけでもなく、普段の会話でもその話題にならなかったのでボクもその件は忘れかけていました
それから2週間ほど経ったとき
たまたまボクの公休の日にどうしてもボクにしか対応出来ない仕事があって、ボクは夕方に店に顔を出しました
「お休みなのにタイヘンね〜」
というウスイさん
「さっさと終わらせて帰りな!」
とあしらうサカタさん
仕事は電話のやりとりと伝票とファックスだったので30分くらいで終わりました
さて、もう夕方だしどうしようかな?
と思っていたら休憩室にウスイさんとサカタさんが入ってきました
「お疲れさま〜」
「お疲れ」
「あ、もうあがりの時間ですね?ご苦労さま」
ウスイさんは小さな子供が実家で待っているので足早に帰ってしまいました
サカタさんは座ってコーヒータイムのようです
その時にボクは修理の件を思い出したんです
「そういえば草刈り機の修理ってどうしたんですか? 治ったんですか?」
するとサカタさんは気恥ずかしそうに頭を掻きます
「なおってない、なおってない!
あのときはああ言ったものの、さすがに社員さんにお願いするのは気が引けてさぁ、ちょっと言い出せなかったのよ」
いつも冷たい雰囲気で誤解されそうなサカタさんですが、まぁこういう気にしすぎる部分もあるわけです
「診るだけ診ましょうか? どうせボクも別に用事もないので、、、」
「あ、今から来てくれる?」
以前、大雨の日にサカタさんをお家まで送ったことがあったので何となくご自宅はわかってます
「自転車どうします? 置いてこっちに乗ります?」
「うーん、そうね、、、どうしようかな?
置いとこうか」