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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第13章 登校日
「麦茶でいいよ…健人は宿題写しに来ただけだからリビングでいいから…」

「ま、どこでもいいけど…」

健人はリビングのロングソファに腰を下ろした。

「何で健人がそこなんだよ…まぁ、いいや…問題集持ってくるから待ってろ…」

自室に行っても机は一つしかない、それになんとなく叔母と過ごす部屋に健人を入れたくなかった。

間延びした返事をする健人をリビングに残して僕は部屋に上がっていった。
健人がどれだけ自分で宿題をやってるか知らないが、あいつのことだからそれなりに時間はかかるだろう。
僕はいつも通りTシャツとハーフパンツに着替えて下に降りた。
ちょうど母がローテーブルに麦茶とどら焼きを置いているところだった。

「健人くん…テーブル低くて勉強しにくいんじゃないの?…」

「平気、平気…写すだけだし、地べたに座ってやれば問題ないっす…」

相変わらず健人は母に対してフランクだ。

「母さん…もういいから…」

「そう?…じゃあ、母さんお買い物に行ってくるから…健人くん、ごゆっくり…」

「はーい、おばさん行ってらっしゃーい…」

健人は笑顔で母に手を振っていた。

「ほら…18時迄には帰ってもらうからな…」

「はいはい…でも一度その素敵な家庭教師先生の顔を拝みたいもんだな…」

「見なくていいからっ…」

健人が言った中学の中村先生とのことが本当ならなんとなく叔母を見せたくなかった。
中村とは比べ物にならないほど叔母は美人でスタイルがいい。
健人に変な興味を抱かせたくはなかった。

僕はL字の角のソファに腰を下ろした。

「俺も今日の授業の予習するから黙って写せよ…」

健人はまだまだ間延びした返事をして、差し出した問題集を書き写していった。
もちろん、1ページ目から写し出した健人に僕が呆れたことは言うまでもない。
健人にしても労なく宿題が終わるのだ、途中休憩を挟みながらも黙々と書き込んでいった。

母が帰って来て、すぐ側のキッチンで夕食を作り出してもさほど気にはならなかった。

「健人くんも久しぶりに家でご飯食べてく?…」

「え?…いいんすか?…」

「だめだろ…カテキョが終わってからなんだぞ…待てないだろ…」

僕が全力で拒否っても母は相変わらずだった。

「別に待たなくてもいいじゃない…おばさんと先に食べちゃえば…ねぇ?…」

「じゃ、遠慮なく…あざぁすっ…」
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