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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第13章 登校日
トートバッグを肩から下げて私は夜道を歩いていく。
その角を曲がれば大通り、コンビニから少しずれたところにいつも利用しているバス停がある。
この時間のバスはほぼ時間通りだ。
到着すると向こうにバスが近づいてくるのが見えていた。
ここから駅まで向かい電車に乗り換え自宅マンション。
片道およそ40分といったところだった。

エアの抜ける音と共にバスの扉か開くと私は乗り込んだ。やや運転手側の一人掛けの椅子に座ると、もう一人乗り込んできた。
そんなこと気にすることもない。
バスはガラガラで座席は幾つも空いている。
それなのにその乗客は私の横に立って吊り輪を握ったのだ。

【何こいつ…上から胸でも覗くつもり……】

露出の高い服装だとしてもそんなこと不快に決まっている。
バスが走り出したと同時に着ていたシャツの胸元を併せた。

男…なのだろう…そいつは少し屈むとぼそりと囁いてきた。

「なんか匂うな…ザーメン臭いような…」

私はカッとして睨むように顔を上げた。
やはり男だった。

【こいつ…確か……】

男は目深に被ったキャップのツバを摘まみ上げる。
それでニヤついた表情を露にした。

「どうも…結奈先生…だったっけ?…」

「あんた…なんで……」

夕方初めて顔を会わせた少年だった。
本能的に受けつけないと判断した陽翔の友人。

「そんな顔しないでよ…もちろん終わるの待ってたんすよ……良かったガラガラで…後ろで話しでもどうっすか…」

「空いてるんだから一人でどうぞ…疲れてるから話しかけないで……」

【待ってたってどういうつもり……】

無視するに限る。
この大人をなめたような口調…ほんとに不快に思えた。

「…陽翔とセックスして疲れたの?…」

車窓に移そうとした視線を戻していた。

【知ってる…なんで?…陽翔が話したの……】

健人はしたり顔で結奈を見下ろしている。

「ほら、お話しする気になったでしょ…」

私は前のシートの背を掴んで立ち上がった。
走り揺れるバスの中を最後尾まで移動していく。
少年は顎で奥に座るように促してきた。
睨むことしかできず、窓際に滑るように腰を下ろしていった。

俺はスタイルのいい歳上の女が尻をシートの上に置くのを眺めると、隣に座り込んだ。
股を少し開き、逃げ道を塞ぐ。

「聞きましたよ…高校生の童貞を奪った痴女らしいっすね…」
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