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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第14章 餓鬼
「…車に戻して……」

俺はまだ女より一段下にいた。
尻を向けたままの女は明らかに追い詰められている。
悦しくて仕方がない。

「なんで?…もっと近くまで行こうよ…」

【なんでそんなにへらへらしてんの……】

怒りと切迫感にどうにかなりそうだった。
言うしかない。
こんなところでできる筈がない。

「トイレに行きたいから…逃げたりしないからもう外してよっ……」

「くっ、くっ、くくくっ…なんすか?…もしかしておしっこしたいんすか?…もっと早く言えばいいじゃないっすか…」

嫌な笑い方だった。
それでも許してくれるんだと思った。

俺は最後の一段を昇りきった。
女の首もとに手を伸ばしていく。

首輪を外してくれるんだと思い込んだ。
伸びてくる手に首もとを晒す。

「…ぅっ…んんっ……」

女は呻き声を漏らした。
俺はリードの根元を掴んで引き寄せていた。
階段に向かって振り向かせるように、俺は女の背後にしゃがみ込んだ。
銀髪に隠れた耳に口を寄せていく。

「ほら、もっと背筋を伸ばして…さっきみたいにチンチンの格好しなきゃ…」

リードが吊り上げられていく。
やはり首は切れて要るんじゃないかと思うほどに痛い。
腰に後ろから膝を突き立てられていた。

階段を昇りきった場所で私はしゃがんだ格好で背筋を伸ばしていた。
視線を落とせば段々が下っている。

「や、やめろっ、離せって……」

「なんで?…この方が足が汚れずに済むっしょ…」

更に膝が腰を押し込んでくる。
腰から背中を反らせ、膝が開いてしまう。

【やだ…こんな格好……】

車道に向かって膝を割りしゃがみ込んでいる。
本当に愛玩動物のチンチンのようだった。

「あんなに水をがぶ飲みするから…こんなに汗かいて、今更どっかのトイレになんて間に合わないっしょ…誰もいないし、しちゃえば?…」

【絶対に嫌……なんて言えば解放してくれるの……】

私は必死に堪える…すごく下腹が張ってるように思えた。
もう唇を固くつむぎ、歯を食い縛ってる。
言葉を発することもできなかった。

「手伝ってやろうか?…」

リードがまた後ろに引かれる。
私は手を後ろ手についていた。

「ここか?…ここか?…」

リード持つ手とは反対の左手が上向きになった下腹部を押し込んできた。

「ひんっ…だめっ……」

出したことのないような声を漏らしていた。
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