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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第14章 餓鬼
「もういいでしょ…首が痛んだけど……」

「あぁ…そうっすね…そんな格好じゃ逃げらんないですしね…」

少年は今度こそ首輪を外した。
針を抜くのに引っ張られるだけで痛みが走り、夜風がヒリヒリと感じる。

「じゃ、お待ちかねのホテルに行きますか…」

幅広い階段の端の方を小走りに駆け降りた。

【誰がお待ちかねなんだよ……ハンカチはだめなのに…こんな汚い女でもまだ抱きたいんだ……】

確かに逃げることなどできやしない。
ホテルにと言われれば着いていくしかない。
元々、それは覚悟の上で来たのだ。
仕方なし気に私も階段を降りた。

少年は来た道を戻っていく。
足取りが軽いのが妙にムカついた。
こんなに身体は疼いているのに、これから目の前の少年に触れられると思うだけで虫酸が走る。
陽翔にもっとさせてやればよかったと後悔すらしていた。

「ほらぁ…早くおいでよ…真っ裸で歩いてるんすよ…やっぱりもっと視られたいんすか?…」

「そんなわけないだろ……」

私は気持ち足早に少年の背中を追いかけていた。

駐車場まで誰にも出くわすことなく到着できた。

精算機で支払いを済ませるとタイヤ止めが下りていく。
ワンピースは返して貰えない。
もうどうでもよかった。
寧ろ今は気持ち悪くて着たくなどない。
幸いというか、内腿とお尻はなんとか乾いているように思えた。

私は自分のバッグからハンカチを取り出し、運転席のシート敷いた。
ハンカチはホテルに着いて捨てればいい。
変な汗をかいて、汚した股間も、とにかく気持ちが悪かった。

【どこでもいいから早くシャワーが浴びたい……】

「ねぇ…陽翔ともホテルでヤったんすか?…」

私の部屋でなんて答えたら、自分もと言いかねないと思えて嘘をついた。

「だから何…あんたとなんてどこでもいいでしょ……」

「まぁ、そうすっね…俺がたまに行くとこでもいいっすか…」

「だから、どこだっていいでしょっ…私は早くシャワーを浴びたいんだからっ……」

乱暴にアクセルを踏んだ。
タイヤが悲鳴を上げて車道へと走り出していった。

「まだ、ベルトしてないって…事故んないでくださいよ…それこそ人生終わりだっつうの…」

飲み屋街の裏手に何件かラブホがあった。
私はとにかくそこに向かって車を走らせた。

「あ、次の信号右折してっ…」

私は咄嗟にウインカーを出していた。
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