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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第14章 餓鬼
それよりも今はシャワーだ。
部屋に入るなりキーを壁に差すと私は壁沿いのドアを開けた。
トイレはセパレートらしい。

「絶対入ってくんなよ……」

「大丈夫っすよ…そこまでがっついてないんで…」

バタンっと私はドアを閉めた。

ただのビジネスホテルではないらしい。
有名どころのシティホテル並みではないにしろ、バスルームはそれなりに広い、洗面台のもゆったりとしていて鏡も大きかった。

私は内鍵をしてシャワーを捻るとワンピースを脱いだ。
シャワーの湯気に鏡が曇っていく。
それでも身体を写すだけのスペースは曇り止めが効いていた。
鏡に近づき首を写し出す。
首輪の幅に赤い痕がくっきりとついていた。
指先で触れるとヒリヒリとする。
血は出ていないことに少しだけホッとした。

シャワーに手を当て、ぬるめに調節してバフタブを跨いだ。
首を避けるように身体を濡らしていく。
水圧を落として首にも当てる。

【…ほんとに最悪…暫く消えないな…これ……】

急いで出る必要なんてない。
ゆっくりとシャワーを浴びて、丁寧に身体も髪も洗っていった。


どうせさっさと出てくるつもりはないだろう。
俺はソファに座りスマホを眺めていた。

【なかなか既読にならないな…もう家族は寝てる時間だろ…】

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、1/3ほど飲み干しソファに戻るとLINEが来ていた。

『返信遅くなってごめんない。』

おそらく旦那のいる寝室から出て返信しているのだろう。
俺はニヤリと口許を歪めて返信を打っていく。

『おかげで面白いものが視れたよ。』

『健人くんが悦んでくれてよかった。』

【酷い女だな…】

『今ホテル。ラブホに行こうとして焦ったW』

『本気になったりしないよね?』

【ふんっ…妬いてやがんの…】

『どうかなぁ?ヤんのはこれからからだから。』

『いじわる、お願いだから約束守ってね。』

『また報告してやるよ。』

『わかりました。待ってます。』

【まったくセックス依存性の女は怖いね…欲しくて言いなりになるんだから…】

デスクにサラリーマン向けに置いてあるマッサージ器。
俺はそれを手にしてベッドサイドのコンセントに突き刺した。
スイッチを入れると鈍い音を立てて震えていく。

「これで楽しんだことはあるのかな?…」

まだ浴室からはシャワーの音が漏れていた。
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