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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第19章 懺悔
ソファといっても小さな一人掛けソファの真ん中に小さな丸テーブルがあるだけ。
私は主犯格の男と向き合い、初めてまともに顔を見た。
明らかに私よりずっと歳上の男。
顔には深い皺が刻まれ、四六時中日に晒されているのか茶褐色の肌色をしている。
太い首、盛り上がった筋肉にTシャツが張りついていた。
肉体労働系の仕事なんだろうと容易に想像がつく。
肘鉄が効かないわけだ。

「小野…もういいぞ…迎えの電話するまでどっかに行ってろ…」

その言葉に私は少し胸を撫で下ろした。
一人ならなんとかなるかもしれない。
これだけのことを企んだのだ、きっと男しての自信はあるのだろう。
そうでなければもう一人を帰したりはしない。

【でも…私だっておとなしいだけの女じゃない……】

「え?…そうなの?…なんだ俺もできると思ったのに…」

大男の方は抑揚のない喋り方をする。
どこか抜けてる印象だった。
それでも兄貴分の言うことは絶対なのだろう、返事をして部屋を出ていった。

「犯罪だって言ってんの…一晩相手してやるって言ってるんだからいいでしょ……」

一対一になったことが私を強気にさせる。
泣き寝入りなんてごめんだった。

「ふんっ…一対一で威勢を取り戻したか?…いいねぇ…強気な女をヒィヒィ言わしてやるのも好きだからな…」

余程自信があるのだろう、余裕の受け答えをされてしまう。

「俺は岩田って言うんだ…」

私は名乗ったことに驚いた。
犯罪紛いなことは向こうだって理解してやってるはずだ。
それを名乗るだなんてどうかしてる…きっと私を油断させる偽名なのだと信用するはずもない。

「本名だ…なんなら免許証見せてやってもいい…」

「いらないから……逃げたり抵抗しないから一晩で解放してよ……不服ならお金を渡してもいいっ…だから金輪際関わらないでっ………」

「へぇ……よし、解った…一晩プラス1億で手を打ってやる…無職の女に払えるんならな…」

「あんた…どこまで調べてんの……」

私は苦々しく目の前の男を睨んだ。

「恐い顔を…いや、別にいい……なぁ、俺はあんたに一目惚れしたんだよ…だからこんな回りくどいことしてんだ…まぁ、大事な甥っ子とのデータは一応の保険だ…」

弱みを握って好き勝手に弄びたいだけに決まっている。
なんのプライドか知りもしないが、一目惚れなんて言われても悪寒が走るだけだった
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