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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第19章 懺悔
部屋から出るとラブホのガレージからでも朝だと理解できた。
眠い…。
どれだけ寝ていたのか解らないがほんとにボロボロだった。
言葉少なにマンションまで送り届けられていく。
しっかりと連絡先は教えさせられた。
ハコバンのスライドドアを開けて、岩田の顔を見ようともせずに降りていく。

「おい、昨日の約束忘れんなよ…」

【あんたの女だっていうことか……】

マンションまで知られているのだ。
どのみち逃げるのは難しいだろう。
私は返事もせずに、思いきりスライドドアを閉めてやった。

部屋に戻ると私はすぐにバスタブにお湯を溜める。
本当に一晩だけのことだったのだろうか?
あまりに濃く、長い夜だった。
スマホの日付は昨日の翌日を表示していた。

【少し休まなきゃ…今日は陽翔の家に行くんだ……】

お風呂が溜まったことを無機質な音声が教えてくれた。

とにかく身体を休めたくてお湯に浸かっていった。
こんなことになる前から家庭教師は今日が最後と決めていた。

【でも…どんな顔をして陽翔に会えばいい……】

後悔が身体の臆測から沸き上がってくる。
それが全部瞳から溢れてくるようだった。

「ぅっ…ぅぅっ……んぐっ……ごめん…ごめん…ごめん…ごめん…ごめん……陽翔ぅっ……ぅぅ……」

どうして流された?
どうして踏み止まれなかった?
どうして逝き狂った?
どうして従った?
どうして…望んでしまった?
…どうして……

「陽翔のことが好きなんだ……すごく……好き……好きなはずなのに……」

【……こんなことになる前に伝えておけばよかった……そうじゃないか……伝えなくてよかったんだ……】

私は髪を洗い、身体を洗っていく。
どんなに時間をかけて洗っても染み着いた汚れも匂いも取れない気がした。

「はぁっ……やっぱり……ごめんなさい……」

私はクローゼットから真新しい下着を取り出した。
派手さもない、純白のシルクの下着。
これを陽翔に見せることはないと思う。
二人きりで授業をすると、きっと駄々を捏ねられてしまう。
姉と陽翔と三人でリビングで粛々と話をしよう。
当たり前の叔母と甥っ子の関係に戻るだけだ。
私から誘っておいてと、また自分を責めた。

【もう陽翔に触られたくない……触られる資格も残っていない……】

ベッドに横たわると涙は止まらないのに、いつの間にか泥のように眠りに落ちていた。
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