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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第22章 不埒 ~開発~
カーテンの隙間から差し込む陽の光りに、もう朝とは呼べない時間だと感じる。
枕元のスマホを見ると、お昼が近かった。
昨夜はなかなか寝付けなかった。
絶望と後悔に苛まれる自分を責めていた。
それでもいつの間にか眠ってしまうのだから、人間の身体の防衛本能には感服する。

お腹は空いていなかった。
ベッドから出てキッチンへと向かう。
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターをボトルのまま飲んでいく。

【シャワー浴びなきゃ……】

岩田が来るのは夜。
そんなに焦ることもないかと、水を片手にソファに座り込んだ。

「ぁ……」

私は寝室に戻って、ローボードの引き出しを開けた。

「くそ……」

岩田が使うコンドームが残り僅かだった。
その箱の奥に違うコンドームの箱がある。
陽翔の為に用意したものだ。
それを掴んで寝室を出ていく。
キッチンの蓋付きのゴミ箱に放り込んだ。

そして、シャワーを浴びに行く。
ドラッグストアに行く用事ができてしまった。

【まぁ、考え込まなくていいからいいや……】

買い足したコンドームを引き出しにしまって、私は簡単な夕食の準備に取りかかった。
外出のついでに買い出しもしてきた。
岩田はここで食事をしたり、しなかったりだ。
一人分も二人分も大差ない。
だから二人分の用意をしていく。

19時、まだ来る時間じゃない。
私は適当な番組を鳴らしながら、一人で夕食をとった。
ビールも一缶だけ空けた。

後片付けをして、もう一度シャワーを浴びる。
ブラはしない。
ショーツは履いておく。
パジャマ代わりのスウェットの上下を着た。
服装なんて関係ない。
どうせ直ぐに脱がされるか、汗と体液にべとべとにされるかのどちらかだ。
髪を乾かしてリビングに戻ると、ちょうど時間になったようだ。

一階からインターフォンが鳴る。
合鍵を渡してあるのに、私の在宅中はちゃんと鳴らしてくる。
この律儀さは嫌いじゃなかった。

「俺だ…」

私は返事をすることなくオートロックの扉を開けていく。
1分もすることなく玄関前のインターフォンが鳴り、私は玄関のドアを開いた。

「邪魔するぞ…」

少し開けたドアを岩田が引き開ける。
後ろに大柄な男がもう一人居た。

私は送って来たんだろうと思った。
確か、小野とか呼ばれていた男。
最初に拉致られた時にホテルまで一緒にいた。
そんな記憶を手繰っていた。
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