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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第9章 触指
なんかいろいろと想像してしまった。
叔母は歳よりずっと若く見えて美人でスタイルもいい。
それに家にくる時はわりと露出の高い服を着ている。

「…ねぇ、結奈さん…彼氏とかいるの?…」

【しまったぁ…】

思わず聞いてしまった。

【ほんとに可愛いこと……】

「いない…いたら土曜日に甥っ子とドライブなんて来ないよ……」

「ほんとっ…」

「お待たせしました…プッタネスカのお客様?…」

「そっちよ……」

店員が料理を運んできた。

陽翔は目の前に置かれたパスタを見てきょとんとした顔をしている。
次いで小皿にパンが置かれた。
私はスプーンを取ってフォークを使いカッペリーニを巻きつけていく。

「スプーンは使わなくてもいいよ…私は服に飛ぶと嫌だから使うけど……」

「わかった…」

僕は家でスパゲティを食べるのと同じようにフォークだけを使っていく。

「初めて食べるけど、これ上にかかってるのパン粉だよね…」

【やっぱり適当に頼んだんだ……】

「ねぇ、陽翔…プッタネスカって意味知ってる?……」

「ううん…知らない……あ、美味しい…」

「娼婦風って意味…身体を男に売って稼いでる女って意味……」

「…っん……」

僕は喉に詰まりそうになったのを無理やり飲み込んだ。

「いろんな男の相手をしなくちゃいけない娼婦がさっさと食べるための料理なんだって……ねぇ?…早く食べて私に相手しろってこと?……」

僕は顔を真っ赤にした。

「ち、違うよ…よく解らなくて適当に決めたんだ…」

また叔母はあの妖艶な笑みを僕に向ける。

「僕が結奈さんのこと娼婦だなんて思うわけないでしょ…」

「なぁんだ…解ってて注文したなら凄いって思ったんだけどな……」

叔母はまた僕をからかっている。
彼氏がいないと判って喜んだのも束の間だった。

【娼婦だなんてかぁ……それでいいのに……】

「からかわないでよ…そりゃ、早くしたいってのは嘘じゃないけど……僕は結奈さんのこと身体だけじゃないから……」

【あれ?…今のって告白みたいだった?…】

僕は叔母を見た。
叔母は冷たいパスタを口に運んでいる。

【伝わらなかった?……】

ホッとした。
告白するならもっとタイミングやシチュエーションはあるはずだ。
こんなどさくさに紛れてなんてしたくなかった。
だからホッとしたけど、どこか悔しさもあった。
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