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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第9章 触指
陽翔は私の彼氏の存在を確かめた。
話の流れなら私も聞き返すところなんだろうけど…
今ので…やっぱり…と思ってしまった。

【話題…変えとくか……】

「ねぇ、そういえば部活はどうなの?…美術部って体育系みたいに大会とかあるわけじゃないんでしょ?……」

「ないわけじゃないけど…コンクールとかは出したい人だけだし…僕は秋の文化祭用の作品考えててるところ…」

「考えてる?…描いてるんじゃなくて?……」

【結奈さんと勉強のことばっかりでそっちはぜんぜん集中できてないんだよ…】

「うん、まだ…夏休み中にはある程度形にしなきゃだけどね…」

「誰に似たの?…姉さんはたしか絵は上手とは言えなかったような……お義兄さんは?……」

「どうだろ?…父さんの絵なんて見たこともないし、そんな話もしたことないかな……」

上手く話題は逸らせたようだ。
パスタの皿を空にするとデザートが運ばれてきた。
陽翔はカタラーナも初めてだったらしい。

「カスタードクリームのシャーベットみたいだね…」

「そうだね…じゃ、そろそろ行こっか……デザートアフターのメインディッシュに……その前にちょっと化粧室行ってくるね…陽翔も行っておいで、口ぐらい濯いできてよ…パン粉とか出てきたら嫌だからね……」

【そんな軽い言い方しないでよ…】

「う、うん…わかってるよ…」

お店を出て車を走らせる。
海開きを直前に控えた海には疎らに人がいた。
海岸線からハンドルを切って今度は山道を走っていく。

「ねぇ、結奈さん…何処に向かってるの?…」

「もう少し行くと公園があるんだ……夜はそういうスポットなんだよ……所謂やりスポットっていうやつ……」

僕はいよいよかと股間を疼かせる。
店を出た時暑かった車内にも程よくエアコンが効いていた。
ウインカーの音に心臓が高鳴っていく。
広い駐車場に入っていった。
車は公園入口付近に数台停まっている。
僕達の車は入口とは反対側の隅に前向きで停まった。
目の前は生い茂る木々の枝に人の入る余地などないように思えた。

シフトレバーをパーキングに入れ、私はシートベルトを外した。
フロントガラスにサンシェードを拡げていく。 
                                                                           
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