この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
背徳の障壁とその先にある翡翠
第1章 背徳の障壁とその先にある翡翠
無理もない。
同じような景色が窓に流れているだけだし
運転手は寡黙な男…ときたら瞼が下がってきてもしょうがない。
見ず知らずの男の隣でよくもまあ寝れるものだ。
この娘の肝っ玉の大きさと言ったら。
ジェラルドはそう思いながらも心の奥のほうでは
どこか嬉しさと安らぎのようなものが同居しているように思えた。
数時間前に出会ったばかりの2人には思えない。
まるでずっと以前から知っているような空気さえ漂っている。
不思議な魅力のある娘だ。
しかし、俺の中の病を消し去る治療法など存在しない。
俺はいつも悪夢にうなされて孤独と不安の中で
「後悔の念に苛まれ」「良心の呵責に苛まれ」
ながら生きていくしかない。
ジェラルド…ジェラルド…どこ?どこなの?ジェラルド!
ミーナは夢の中でジェラルドの名を叫んでいた。
わたしを置いてかないで…ひとりにしないで…
この娘も心の病とずっと闘ってきたようだな。
たった1人で。
あの人は私の前から突然消えてしまった。
わたしは心の準備さえすることさえ許されなかった。
突如出てきた涙は今までの気持ちが心の奥から溢れ出し
一気に流れ出した。
わたしはそれを止めることはできなかった。
長い間、わたしを押さえてきたものを解放したようだった。
わたしはその場にいることさえ拒んだ。
そしてわたしもあの人も旅立った。
それぞれの道を。
残された人も旅立った人もそれぞれにツラい思いを抱えながら
それぞれに重くのしかかった荷物をせなに。
ミーナ…俺はキミのそばにいてあげられるような存在ではない。
俺に幸せなど許されないんだ。
ハッ!…
ミーナは目を覚まして周りを見回した。
しかし、そこにはジェラルドの姿は見当たらなかった。
ジェラルド…行ってしまったのね。
あなたともう少しいたかったけど、仕方ないわね。
ふぅ…ミーナはため息をついてその場にふさぎ込んだ。
また1人…か
何をひとりでしゃべってるんだ。
キミは本当におしゃべりな女だな。
もう少しだけキミに付き合おうと思ってね。
ジェラルド…どこに行ってたの?
ん?トイレに行ってただけだ。
そのまま去ろうとも思ったが、何だかキミをほっとけなくてな。
皆んなみんな、俺のことを無視しやがる。
心を開こうと努力もしてみた。
しかし、ベトナム帰りの帰還兵になど話しかけてさえくれない。
ベトナム帰りの道のりのときでさえな。
同じような景色が窓に流れているだけだし
運転手は寡黙な男…ときたら瞼が下がってきてもしょうがない。
見ず知らずの男の隣でよくもまあ寝れるものだ。
この娘の肝っ玉の大きさと言ったら。
ジェラルドはそう思いながらも心の奥のほうでは
どこか嬉しさと安らぎのようなものが同居しているように思えた。
数時間前に出会ったばかりの2人には思えない。
まるでずっと以前から知っているような空気さえ漂っている。
不思議な魅力のある娘だ。
しかし、俺の中の病を消し去る治療法など存在しない。
俺はいつも悪夢にうなされて孤独と不安の中で
「後悔の念に苛まれ」「良心の呵責に苛まれ」
ながら生きていくしかない。
ジェラルド…ジェラルド…どこ?どこなの?ジェラルド!
ミーナは夢の中でジェラルドの名を叫んでいた。
わたしを置いてかないで…ひとりにしないで…
この娘も心の病とずっと闘ってきたようだな。
たった1人で。
あの人は私の前から突然消えてしまった。
わたしは心の準備さえすることさえ許されなかった。
突如出てきた涙は今までの気持ちが心の奥から溢れ出し
一気に流れ出した。
わたしはそれを止めることはできなかった。
長い間、わたしを押さえてきたものを解放したようだった。
わたしはその場にいることさえ拒んだ。
そしてわたしもあの人も旅立った。
それぞれの道を。
残された人も旅立った人もそれぞれにツラい思いを抱えながら
それぞれに重くのしかかった荷物をせなに。
ミーナ…俺はキミのそばにいてあげられるような存在ではない。
俺に幸せなど許されないんだ。
ハッ!…
ミーナは目を覚まして周りを見回した。
しかし、そこにはジェラルドの姿は見当たらなかった。
ジェラルド…行ってしまったのね。
あなたともう少しいたかったけど、仕方ないわね。
ふぅ…ミーナはため息をついてその場にふさぎ込んだ。
また1人…か
何をひとりでしゃべってるんだ。
キミは本当におしゃべりな女だな。
もう少しだけキミに付き合おうと思ってね。
ジェラルド…どこに行ってたの?
ん?トイレに行ってただけだ。
そのまま去ろうとも思ったが、何だかキミをほっとけなくてな。
皆んなみんな、俺のことを無視しやがる。
心を開こうと努力もしてみた。
しかし、ベトナム帰りの帰還兵になど話しかけてさえくれない。
ベトナム帰りの道のりのときでさえな。