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代車
第6章 真由美
「有難う綺麗な体だね」
渡部は言うとガウンを手渡した
真由美がほっとした 表情を浮かべ ガウンに手を通す
渡部の前に座る様に 促され腰掛け
渡部はブランデーを口に運びながら
真由美をじっと見ていた
沈黙を真由美が破った
「期間はどれぐらですか? 一年?二年?それとも渡部様が飽きるまでですか?」
渡部は何も言わず 真由美を見続け
「私 一生でも良いと思って今日 渡部様にお願いしたんです」
「渡部様がお帰りに成った後 確認したら銀行に入っていました」
「有難う ございます」
「申し訳ありませんが 処女では無いです 今25歳です」
「お望み通り 致しますと」一気に話した
渡部は真由美を見て 少しの間、沈黙し口を開いた
「今夜 一緒に居て呉れたら良い 望みはかなったから」
真由美が 怪訝な顔をした
「二年前 君を見た時 好きになったんだ・・」
「その時は 結婚して娘も二歳だった 可愛い娘だなと君を見ていた」
「妻を愛していたが 独身だったら 良かったと心底思った」
「私はそれを 心に封印していたんだ」
「お会いした事 ございましたか?」真由美は首を傾げた
「今、奥様は?」
「去年 白血病で死んだ 妻と約束したんだ 娘を守ると」
渡部の目から 涙がこぼれた
「それでは 奥様の代わりに 私でしょうか?」
真由美が 聞き返して来た
「いや、時間が無いから 今夜一晩一緒に居てくれれば良い
傍にいてくれたら 私の我儘がかなう」
真由美は 渡部を真っ直ぐ見据えて はいと答え 立ち上がり
ガウンを脱ぎ捨てると 裸の体をベッドに横たえ目を閉じた