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代車
第10章 香織
渡部は頷き、タクシーに乗り香織の自宅に向かった
渡部は香織の手を優しく握り、前方を見つめ
二人は無言で 香織の部屋へ向かった
香織の部屋は、ロフトの付いたワンルームに
床に長い毛足のピンクのラグが敷いてあり
渡部は壁ぎわに 腰を降ろし
香織が着替えて、渡部の前に正座で座り
どう、話を切り出そうかと、目を彷徨わせ
渡部は無言で香織を見つめ、香織が目を合わせた
渡部の優しい眼差しに。香織の目に涙が浮かび
「久美綺麗になったな・・・」
香織は呟いた
「久美とは同期で、良く一緒に遊んだの」
「彼が出来た時も、祝って上げたわ」
「結婚申し込まれたって言ったから おめでとうって
言ったら、悩んでるのよね」
「何でって?聞いても 教えてくれなくて」
「出来ないって 寂しそうに言い張るの 私何も出来なくて
久美に ゴメンって謝ってたの」
「そしたら、結婚するって、嬉しそうに言うんだもの」
「どうしてって?、聞いたら、渡部さんに悩み聞いて貰ったら
気持ちに整理が付いて、結婚受け入れたって言うの」
「私も 今月で辞めなければ成らないのに・・・・」
涙が零れ落ち
「同じ時に辞めるのに 違い過ぎるの 解ります?」
香織が渡部の手を握り 振りながら言ってきた