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代車
第12章 麗と弥生

渡部はマネージャーに彼女の飲みたいと言うワインを
部屋に届けるよう 後幾つかの品を頼み部屋に入り電話をかけ始めた 

高木の妻が出て渡部の声を聴き懐かしそうに話だし
高木を今夜一緒に飲みたいと誘うと高木が電話口に出た 

今ホテルに居るが 来ないかと誘うと電話の向こうで
高木の妻に聞いている声がする 来ると返事が聞こえ部屋番号を伝え
電話を切った時 ルームサービスが渡部の頼んだ品をテーブルに並べ帰って行った 

渡部は車の中に有った錠剤を 悪戯な目で眺め 便箋の上に置くと
便箋をたたみ 錠剤をワインの底で潰し始め 
何度か開き 錠剤が粉に成ると 氷に漬け込まれた
白ワインのコルクを抜き ワインの中に入れボトルを振る 
ワインの中の 粉に成った錠剤が溶けると
ボトルを氷の中に沈めた 

時計を見てシャワーに
シャワーから出て ソファーでブランデーを飲んでいると 
ノックの音がして 高木が入って来て目を丸くした

「何だこの部屋?お前どうして?」
矢継ぎ早の質問が 浴びせ掛けられ 

渡部は友人が借りたけど 泊まれないから使ってくれと話し
宿泊料も払われてるから お金持ち気分を一緒に味わいたいと言うと
納得し渡部がシャワーを進め ガウンを纏って出て来た
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