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代車
第13章 智美 3

街に入る手前のレストランに入り 早い夕食を取る 
ピーク前のレストランは 従業員が要所に立ち
迎える準備をしていた 
智美が寝たことを 渡部に申し訳なさそうに詫び

渡部は優しい目で 智美を見ながら頷いた 
アパートの前で止めると何か言いたそうな
智美に

「月曜ね今日はご馳走様」渡部に言われ 
智美は寂しそうに玄関へと入って行った

日曜

何時も行く公園に行くと 琴音が中年の婦人と
手を繋ぎ入ってきた 
滑り台に走ると 何度も階段を上がり遊ぶ 

飽きて来たのか ジャングルジムに登り
一番上まで登ると 手を上げ
大きな声で

「やったー」とはしゃいでいた 

中年の女性は下から 琴音の動きを心配そうに見上げ
一つ一つ鉄棒につかまりながら 琴音が地面に着くと

中年の女性が琴音に何か言っている 
琴音は中年の女性を 振り払い 
渡部の座ってるベンチまで走って
渡部を陰にして 中年女性の目から隠れる様に 蹲った

渡部が振り返り

「琴音ちゃん お早うと声を掛け」 

「ボールのおじさんだ」
琴音は笑顔で答えた

「琴音ちゃん 行きたい処有る?」
聞くと 琴音は少し考え

「潮干狩り」
大きな声で答えた

「パパとママと一緒に行ったんだ 貝をいっぱい取ったら
 パパとママ偉いって褒めて呉れたんだよ」 
目を輝かせ話した 

中年女性が近ずくと琴音が走り出し 暫く追いかけっこが続き
女性がベンチに 腰掛け琴音の遊ぶ姿を見ていた 

公園の時計を眺め 琴音に声を掛け手を繋ぎ帰って行った
後ろ姿を見送り 渡部は自宅へと車を動かした
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