この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
代車
第14章 琴音
駐車場に車を止め 坂道をバケツを持った琴音と登り
二階堂家の 呼び鈴を押した
ドアが開き 中年の女性が開け
大きな声を上げ 家から主人と夫人が出て来て
琴音に駆け寄り 抱き上げ
渡部が帰ろうと ドアに向かった時
「天野さんから 電話を貰いました」
「昭則兄さんですか?」
渡部は振り返らなかった
「兄さん、琴音は大事に育てます 安心してください」
和則は 重ねて言って来た
渡部は頷き 振り返らずドアを出て 後ろ向きにドアを閉め
ドアの締まる音が聞こえた時
渡部の頬を 涙が流れ落ちた
渡部が歩き出した時
渡部の周りを 屈強な4人の男が囲み
一人が手帳を出し
「署へ同行願います」
と渡部を囲む様に
近くに止めて有った 覆面パトカーに乗せられ
警察署へと連行され 取調室に座らされ
事情を聞かれた
渡部は 琴音と潮干狩りに行っただけと言うと
幼女誘拐だ身代金は? お前琴音ちゃんに変な事しただろう!!
ロリコン!!!と罵倒され
1時間程立つと ドアが開き 釈放だと刑事がドアの前に立った
警察の玄関を出た処で 身だしなみの良いスーツを着た男が
渡部を迎え 手を差し伸べて来た