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代車
第3章 和江

「この 靴見せて」 店員が スツールの前に持ってきた
(・・・見るだけなのに・・この娘可愛いな・・)

足を入れ 鏡の前に立つ 靴は軽く足にフィットして 
鏡の中の渡部はくたびれた スーツと光る靴で 
まるで ピエロの様な姿だった

「これ 良いね これの茶色有るかな?」
(・・・オイ!!・・見るだけでしょう?・・)

「ございます 今お持ち致します」 
店員は 奥に消え後を追うように 
男子店員も入って行くのを見ながら
靴を眺めていると 

「こちらに成ります」 店員がスツールの前に靴を置いた 
渡部は 足を入れ 立ち上がり履き心地を確かめ 

「さっきの黒い靴 2足有るかな?」店員に尋ねた
(・・・????・・・)

女子社員は 首を少しかしげながら 

「はい 在庫はございます」答えた

「さっきの黒い靴今履き替えるから それとこの茶色と黒三足をもらおうか」
(・・・30万??・・今月の給料より・・・)

「包装は 要らないから 袋に入れてくれるだけで 良いよ」
(・・・本当に・買うの?・・買うの?・・えっーー・・)

女子社員の黒く長い髪の中の小顔が 明るくなり 

「ありがとうございます」と答え 

身長は160位か 今風な顔立ち 
どこか日本的な 切れ長の目が印象的だった

(・・今月の給料より 高いよ・・明日から毎日カップ麺・・)
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