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代車
第3章 和江
テーブルの上に 白いシャツが 持ってこられて
一枚を持ち 試着室に入り 合わせて見る
胸元が 少しきついが 大丈夫なのを 確認すると一度脱ぎ
店員に手渡して 今 着たいから タグなどをはずす様頼み
店員が 持ってきた物を 着用し ジャケットを羽織り
店内の小物売り場へと カフスとネクタイピン ベルトを選び
ネクタイを 三本程 選ぶと カウンター席に座る
カウンターの上に 紅茶が置かれていた
紅茶に 口を運んでいると お待たせいたしましたと
最初に選んだ 深緑のスーツが運ばれてきた
立ち上がり 試着室に向かい身に着けると 朝の姿とは
別人の 渡部が鏡の中に映し出され
試着室を出て カウンターに座り
「これ 処分してもらえる」 今まで着ていたスーツを差し出した
(・・・まだ・・着られるのに・・・)
「先に 会計してもらえるかな これ つけたいから」
店員に頼む
「畏まりました」
店員がバーコードをスキャンし始めお会計は 487000円に成りますと言った
カードを差し出し 端末が出され暗証番号お願いしますと
番号を押し 確認ボタンを押すとジャーナルが吐きだされ
(・・2か月の給料だよ 確か 貯金30万位だったよな・・)
立ち上がり店員にベルトを合わせてもらい ネクタイ カフスを身に着けている時
入口から 靴売り場の男子社員が 入ってきて服売り場の社員と何か話している
渡部の下へ 靴売り場の社員が寄ってきて
「先ほどは ありがとうございます」 媚を込めた挨拶をしてきた
軽く 頭を下げ 鏡に全身を 映す 170の身長に 深緑のスーツが映え
「二階堂様 お待たせいたしました」
2着のスーツを 店員が運んできた 受け取り
「斎藤さん 来週また 寄らせてもらうから」
(・・・??何で 名前を???・・)
最初に声を掛けてきた 店員に声を掛け 車に向かう