この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
代車
第5章 綾乃
部屋には前田の繰り言の様な叱責が続いている
渡部のパソコンにメールの到着の知らせが入り
メールを読んだ渡部は メールを削除してから
電話を取り話始めた
「少し お待ちください」 保留ボタンを押し
「係長国分機械さんが 部品大丈夫と言ってるのですが?」
切り出した
前田が顔を上げ 怪訝な顔をして
「同じ部品国分機械さんが扱っているので 聞いたら大丈夫と言ってくれました」
「取引無いので 係長常務に許可取っていただけますか?」
前田が慌てた様に常務に内線を入れ
「渡部君単価は?」
「一緒ですただ 在庫が1000しかなく今日1000納品で
木曜1000になると言われました」
「直ぐ発注して」
前田はほっとした 表情で前に立っている 橋本に手で席に戻るよう振った
「渡部君 何故部品が解ったの?」
前田が声を掛けてきた 注文のミスは前田の責任と成り 評価に響くことが
前田には 一番の恐れだった 評価が下る事が無くなった今
橋本の席に近寄りもしなかった 渡部が知っている事に
疑問を感じ 穏やかな顔で聞いてきた
「橋本さんのパソコン見せてもらって 部品番号を確認して
工場に再度確認して 国分機械さんに電話しただけです」渡部は答えた
前田は 半分納得したような 顔をし 宮崎が目を細め頼もしそうに
渡部を見ていた 橋本は驚いた顔で渡部を見つめていた
火曜
前日工場に納品された 部品の請求書が届き
納品金額が5パーセント安くなっており
国分機械に問い合わせると
間違い無い これからも取引したいと 申し込まれ
前田の評価が上がり 前田は顔をほころばせデスクに付いていた