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代車
第5章 綾乃
カクテルラウンジは 床に明かりが間接で灯り 暗い室内を浮き上がらせ
窓側に二人席が並ぶ中 係に案内された席に座り 頼んだ飲み物を口に運び
二人は夜景を見つめていた 綾乃が口を開いた
「綺麗ね・・・」
渡部は、無言で綾乃を見つめ
綾乃が目を伏せ 暫く無言が続いた
「あのね・・・」 少しの間が開き
「私写真見たの・・・」と話始めた
「主人とは 紹介だったの、私が29の時 紹介されて
1年ぐらい お付き合いして結婚したの」
「普通の 生活だったわ・・・」
「私も仕事して良いって 主人が言うから仕事 続けられたの」
「主人、学者だけど 優しいのよ 家の中でも ただ
夫婦生活が無いの 一緒にいるだけ」
渡部に顔を向け 渡部は無言で見つめ返した
「女が居るのかなって思って 去年調査して貰ったの 女の影は無かったわ」
「でも・・・探偵さんが 5枚だけ写真を呉れたの」
「1か月の調査で これしか お渡しできないのは 初めてです」
「 そう、 言われたの 」
「それは 主人が助教授と手を繋ぐ後ろ姿なの 主人との付き合いは
私より長いって聞いてる 一緒の研究しているって 聞いた事、有ったから」
「その写真の手が 恋人繋ぎなの 二人は何時も一緒だけど注意してたのね」
「一か月探偵さん 調査して 5枚だけ撮れたの・・・・」