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ジャスミンの花は夜開く
第4章 疑念
部屋を出てゆく大家の頭を見て、茉莉花はつくづく(あの声、あの頭…。やっぱり大家さんよね…)と思った。
でも、なぜあの男が大家と思しき男だったのか。
二、三度しか顔を合わせていないのに、茉莉花の心にそこまで深く刻まれたのはどういうわけだろうか。
心に霞が掛かっていたが、午後からはアルバイトの面接が待っている。
それへ影響が出ないよう、余計なことは忘れようと心掛ければ心掛けるほど、逆にまた頭にちらつく。


「あの女の人の声も、どこかで聞いたようなそうじゃないような…」


茉莉花にはそれだけ刺激の強い夢だった。
考えれば考えるほど、茉莉花の女性自身からは蜜がジワジワと湧いてくる。


「やだ…、また濡れてきてる…」


ジュンとする股間がなんだかむず痒い。
午後にはバイトの面接が控えているというのに、茉莉花の心は本能に傾きつつあった。
寝起きに穿き替えたショーツはところどころ白く変色しており、真ん中はぬめりのある液体を滲ませていた。
ふと尿意を覚えトイレに駆け込み、ショーツを下ろす。
今朝と同じように、余計な液体がクロッチにこびりついていた。


排尿を済ませ、トイレットペーパー越しに淫部を触れると、体がゾクゾクっと震えた。
昨夜の淫夢に出てきた男と、今朝の大家の頭がシンクロしている気がしてならない。
結果、一晩で大家を意識してしまうこととなった。
これからも何かと世話になるであろう大家が、茉莉花の中で大家というよりも、淫夢の登場人物としての認識を濃くした。


「あんなにすごいの…、ま…まさかね…」


茉莉花はそう言いながら、ついつい陰核を弄ってしまった。
淫らな汁が外側にまで滲み出ている。
それを指で掬って、トイレットペーパーで拭き取った。
しかし、それでもまだ流れてくる。
前に性交渉をしてから、もう随分と時間が経っている。


欲求不満なことは自覚していた。
だからこそ、あんな夢を見るのだと思った。


「ま…まだ面接まで、じ…時間もあるし…」


太腿まで下げたショーツから片足を引き抜き、大きく股を開いて、便座に浅く腰掛け直した。
蓋を背もたれ代わりにし、上半身を委ねる。
それだけで息が荒くなった。


「あん…」


陰核に軽く触れただけで吐息が漏れてしまう。
ピチャっという湿った音が茉莉花の聴覚を刺激する。
徐々に指の動きが早くなっていった。
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