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ジャスミンの花は夜開く
第5章 抑圧

隣の二人が出て行ったのをいいことに、茉莉花はその続きを始めようと、右足をショーツから出した。
大きく脚を広げ、その右脚をトイレの壁につっかえ棒のように置き、自分で自分を慰めようと試みる。
『もう…我慢できない…』
昨夜から続く淫らな夢と現実に、茉莉花の心は押しつぶされそうになっていた。
おもむろに指を秘部に突っ込んだ刹那だった。
トイレに女性二人組が入ってきた。
他愛のないおしゃべりをしつつ、洗面台で化粧直しでもしているのだろう。
『もう…こんなんじゃ声出せない…』
さらに心は抑圧されていく。
『こんなんだったら家に帰ったほうがいいかも…』
そう思った茉莉花は濡れたクレバスを拭き、何事もなかったかのような顔をして個室から出た。
ホールに戻るとつい目が他の客を追ってしまう。
『あの二人って、誰なのかしら…』
該当しそうな男女二人連れが、二組居た。
でも、どちらがどちらかわからない。
声が聞こえる距離にいないからだ。
そんなシチュエーションが、余計茉莉花の体をじわじわと温める。
『そういえば…』
個室の中のやり取りを思い出した茉莉花。
『男の方は飲むなって言ってた。ということはおしゃべりしてない女性がいる二人ってこと?』
発射した雄の飛沫を、口で貯めておくようにあの男は言っていた。
それとなく様子を窺うと、料理を前にしながらフォークが進んでいない30代後半と思しき女性がいた。
『あの…人?』
つい凝視してしまった。
茉莉花の視線を感じたのか、その女性と視線が合った。
すぐさま伏し目がちになる女性。
それに気づいたのか、こちらに背を向けていた男性が振り返って、茉莉花に軽い微笑みを送った。
まるで『さっきのこと聞いてたんだろ?』と言っているかのような視線に、茉莉花はつい下を向いてしまった。
だんだんと顔が赤くなっていくのが茉莉花自身にもわかる。
心臓の鼓動が高まる。
それを察したのだろうか。
男性が席を立って、こっちに向かってくる。
どうしていいかわからない茉莉花は、食べ終わった皿を持って席を立ち、キッチンへ向かい「ご…ごちそうさまでした!で…では、明日からお世話になります!」と、大根役者のような口調でまくし立て、店を後にした。
すぐ帰宅して自慰の続きをしようと思ったが、スーパーの前で大家の杉野清と出くわした。
大きく脚を広げ、その右脚をトイレの壁につっかえ棒のように置き、自分で自分を慰めようと試みる。
『もう…我慢できない…』
昨夜から続く淫らな夢と現実に、茉莉花の心は押しつぶされそうになっていた。
おもむろに指を秘部に突っ込んだ刹那だった。
トイレに女性二人組が入ってきた。
他愛のないおしゃべりをしつつ、洗面台で化粧直しでもしているのだろう。
『もう…こんなんじゃ声出せない…』
さらに心は抑圧されていく。
『こんなんだったら家に帰ったほうがいいかも…』
そう思った茉莉花は濡れたクレバスを拭き、何事もなかったかのような顔をして個室から出た。
ホールに戻るとつい目が他の客を追ってしまう。
『あの二人って、誰なのかしら…』
該当しそうな男女二人連れが、二組居た。
でも、どちらがどちらかわからない。
声が聞こえる距離にいないからだ。
そんなシチュエーションが、余計茉莉花の体をじわじわと温める。
『そういえば…』
個室の中のやり取りを思い出した茉莉花。
『男の方は飲むなって言ってた。ということはおしゃべりしてない女性がいる二人ってこと?』
発射した雄の飛沫を、口で貯めておくようにあの男は言っていた。
それとなく様子を窺うと、料理を前にしながらフォークが進んでいない30代後半と思しき女性がいた。
『あの…人?』
つい凝視してしまった。
茉莉花の視線を感じたのか、その女性と視線が合った。
すぐさま伏し目がちになる女性。
それに気づいたのか、こちらに背を向けていた男性が振り返って、茉莉花に軽い微笑みを送った。
まるで『さっきのこと聞いてたんだろ?』と言っているかのような視線に、茉莉花はつい下を向いてしまった。
だんだんと顔が赤くなっていくのが茉莉花自身にもわかる。
心臓の鼓動が高まる。
それを察したのだろうか。
男性が席を立って、こっちに向かってくる。
どうしていいかわからない茉莉花は、食べ終わった皿を持って席を立ち、キッチンへ向かい「ご…ごちそうさまでした!で…では、明日からお世話になります!」と、大根役者のような口調でまくし立て、店を後にした。
すぐ帰宅して自慰の続きをしようと思ったが、スーパーの前で大家の杉野清と出くわした。

