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ジャスミンの花は夜開く
第6章 誘惑
「この品種はな、さつまいもにしたら細めの紅あずまじゃ」
「あ…、そ…そうなんですね…」
「この皮が薄いのが美味いんじゃ」
「は…はぁ…」


大家はそう言って茉莉花に握らせたサツマイモを上下に動かし、「ほれ、皮の感触がわかるじゃろ?」と微笑みながら言ったが、今の茉莉花にはサツマイモではなく硬くなった男性器を触らされている心地である。
皮自体はスベスベしているものの、ところどころ節くれだっており、それが余計変な気分にさせる。
くぼみから生えた細い根っこは、茉莉花にとってまるで陰毛にしか見えない。


そんな茉莉花を知ってか知らずか、大家は次に長芋を握らせようとする。
その時だった。
大家のスマホが鳴った。
茉莉花に『ちょっと待って』と手で合図をして、大家は売り場から離れた。


「もしもし?」という声が耳に入ったが、そこから先は、離れてしまったためわからない。
サツマイモを片手に握った茉莉花は置いてけぼりを喰らったように、ポツンと売り場に立っていた。
『今こんなのが入ってきたら…。私、すぐイッちゃいそう…』
あらぬ妄想が茉莉花の頭を駆け巡る。
昨夜の淫夢、途中で止めざるを得なかった今朝の自慰、そしてトイレの個室の隣で起きていた口淫…。
茉莉花をその気にさせるものばかりで、その欲求は今にも弾けそうだった。


「すまんすまん。また投資信託の勧誘じゃった」
「あっ…、そうなんですか…」
「そこでじゃ。うちのアパートに入る時の約束を覚えとるか?」
「や…約束ですか?」
「そうじゃ。彼女のふりをする約束じゃ」


思い出した。
家賃を安くする交換条件に、資産運用や投資信託などのセールスが来た時に、その邪魔をする役目を担っていたのだ。


「さっきの電話で断ったんじゃが、『後ほど伺います』の一点張りじゃ。そこでの、楠さんに例の約束を果たしてもらいたいんじゃ」


そんな話役回りがこんなに早く来ると思っていなかった茉莉花だったが、NOの選択肢はない。
戸惑いの顔色がスルーして大家が続ける。


「ちょうどいいことに、楠さんのアルバイトが決まったお祝いをするじゃろ?それにかこつけて儂の部屋に来る。それで問題ないな?」
「え…ええ」
「さすがに彼女がいれば『お邪魔虫』は帰るじゃろう」


大家はそう言って笑った。
しかしその笑みには、含むものがあるような色を帯びていた。
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