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ジャスミンの花は夜開く
第6章 誘惑
「で…でも、人前で、こんなことは…」


抱かれた肩を反対側に外らせようとしたものの、相手は男性である。
腰だけがくねってしまう。
正面に座った営業マンは、目を丸くした。


「いや、杉野さん!わ…わかりました!こちらの女性と愛し合っているのはわかったので、せめてお話だけでも聞いてくださいませんか?」
「わかったのなら、愛し合う二人の邪魔はせんことだ」
「しかしですね、彼女さんも嫌がっているようですよ」
「あんたには茉莉花が嫌がっているように見えるんか?若造にはまだまだわからんのだ、女の本性が」


営業マンを見ていた大家の視線が、茉莉花に向いた。
その視線は初めてこのアパートを見つけ、出会った時のものとはまるで別人のものであった。
今にも獲物を捉えようとしている鷹のような目をしていた。


「話はまた今度じゃ。あんたも茉莉花の腰を見てみぃ。こんなにくねらせて、『もう我慢ができません』と言いよろうが」
「わ…私は、そ…そんなつもりじゃ…」
「いいんじゃ。こうして見せつけてやらんと一向に帰らんからの」
「で…でも、わ…悪いですよ。せ…せっかく、お越しになったのに」
「何を言うか。茉莉花が『会いたい!すぐに抱いて!』とLINEを送ってきたくせに」


完全なる嘘っぱちだが、営業マンを追い払うための芝居を受け入れる他にない。
茉莉花は仕方なしに大家へ体を寄せた。
すると大家はそんな茉莉花の無抵抗をいいことに、今度は腰に手を回し、乳房へ進路を取った。
昨夜からの淫らな出来事で疲弊しつつも火照った茉莉花の体は、それまで貫いていた硬直から弛緩へと変化していく。
男性から指と手を使って愛撫され、顔は紅潮を始める。


目の前に第三者がいることなど構うこともない大家の言動に耐えかねた営業マンは、「ごちそうさまでした!今日はこれで失礼します!」と呆れ返り、部屋を出て行った。


『やっと帰ってくれた。これで終わったわ…』
茉莉花はそう思った。
巻きつかれた大家の手と腕が離れてくれる、と思っていた。
しかし、大家は力を緩めない。
しなだれかかっていた茉莉花を強く引き寄せ、耳元でこう呟いた。


「あんた、感じとるようじゃな?」


心の中を読まれた気がして、茉莉花は一気に体を再び硬直させて反論しようと試みたが、大家の顔は茉莉花の顔の10cmほど先にあった。
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