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ジャスミンの花は夜開く
第7章 驚愕

まさに唇を奪われそうになった刹那、玄関のドアを誰かが叩いた。
大家は「ちっ」と小さく舌打ちして「どなたかな?」と、外にいるであろう人物に声をかけた。
どうやらこのアパートの仲介をしている不動産屋のようである。
苦虫を噛み潰したような顔をして、大家が玄関へ向かった。
茉莉花はこの隙に逃げ出そうと思ったものの、出口はその玄関しかない。
そこで思い出した。
縁側の先は横長の庭になっている。
横の部屋との間には仕切りがない。
断りもなく居間兼寝室に入り込むことはご法度だが、非常時である。
茉莉花は物音を立てないよう後ろずさりしつつ、磨りガラスの引き戸を後ろ手で開けて奥へと進んだ。
大家の様子を伺いながら「今だ!」と思い、縁側に続く掃き出し窓へ向かおうと振り返ると、信じられない光景が広がっていた。
口に手を当て、飛び出て来そうな言葉をぐっと堪える。
『な…何、こ…この部屋…』
その異様さに驚かざるを得なかった。
男性女性の別なく、こんな部屋を目にしたら誰だって驚くだろう。
若い独身男でさえ、ここまでエロスに満ちた部屋に仕立て上げるには難しいと思われる。
隣の茉莉花側の部屋とを隔てる壁には、一面、男女の交わりを写したポスター大の写真が無造作に貼ってあった。
しかも全てが無修正である。
男女の結合部分…。
男性器にむしゃぶり付いている女性…・
Mの字に脚を開いてデリケートな部分を広げているシーン…。
男性のエキスが濃縮された白い液体を顔に掛けられ悦に入ってる女性…。
何かを叫んでいるかのような苦悶の表情を浮かべながら後ろから貫かれている女性…。
いわゆる駅弁の体勢で抱え上げられている女性…。
枚挙にいとまがない。
『こ…こんなことって…』
ハメ撮りという言葉は知っていたが、それを許すような女性はいないと思っていた。
セックスを記録されてしまうなんて、実際の性生活では想像すらできなかった。
逃げるつもりだった茉莉花はその光景に息を飲み、再び体が硬直しつつも性欲の炎がボウっと燃え出すのを感じた。
反対側の壁を見ると、背の低い箪笥が2棹。
その上にはアダルトDVDが3段になってびっしりと並んでいた。
100や200ではない。
数え切れないほどだった。
『な…何、こ…この数…』
もし自分の彼氏がこれだけ持っていたら、完全に引いてしまう量である。
大家は「ちっ」と小さく舌打ちして「どなたかな?」と、外にいるであろう人物に声をかけた。
どうやらこのアパートの仲介をしている不動産屋のようである。
苦虫を噛み潰したような顔をして、大家が玄関へ向かった。
茉莉花はこの隙に逃げ出そうと思ったものの、出口はその玄関しかない。
そこで思い出した。
縁側の先は横長の庭になっている。
横の部屋との間には仕切りがない。
断りもなく居間兼寝室に入り込むことはご法度だが、非常時である。
茉莉花は物音を立てないよう後ろずさりしつつ、磨りガラスの引き戸を後ろ手で開けて奥へと進んだ。
大家の様子を伺いながら「今だ!」と思い、縁側に続く掃き出し窓へ向かおうと振り返ると、信じられない光景が広がっていた。
口に手を当て、飛び出て来そうな言葉をぐっと堪える。
『な…何、こ…この部屋…』
その異様さに驚かざるを得なかった。
男性女性の別なく、こんな部屋を目にしたら誰だって驚くだろう。
若い独身男でさえ、ここまでエロスに満ちた部屋に仕立て上げるには難しいと思われる。
隣の茉莉花側の部屋とを隔てる壁には、一面、男女の交わりを写したポスター大の写真が無造作に貼ってあった。
しかも全てが無修正である。
男女の結合部分…。
男性器にむしゃぶり付いている女性…・
Mの字に脚を開いてデリケートな部分を広げているシーン…。
男性のエキスが濃縮された白い液体を顔に掛けられ悦に入ってる女性…。
何かを叫んでいるかのような苦悶の表情を浮かべながら後ろから貫かれている女性…。
いわゆる駅弁の体勢で抱え上げられている女性…。
枚挙にいとまがない。
『こ…こんなことって…』
ハメ撮りという言葉は知っていたが、それを許すような女性はいないと思っていた。
セックスを記録されてしまうなんて、実際の性生活では想像すらできなかった。
逃げるつもりだった茉莉花はその光景に息を飲み、再び体が硬直しつつも性欲の炎がボウっと燃え出すのを感じた。
反対側の壁を見ると、背の低い箪笥が2棹。
その上にはアダルトDVDが3段になってびっしりと並んでいた。
100や200ではない。
数え切れないほどだった。
『な…何、こ…この数…』
もし自分の彼氏がこれだけ持っていたら、完全に引いてしまう量である。

