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ジャスミンの花は夜開く
第8章 屈服
「どうじゃ、なかなかのもんじゃろ? そんじょそこいらの男には負けん」


茉莉花の男性経験は片手で余った。
その中では比較にならない大きさだった。
子供の腕くらいありそうな太さを、手のひらが感じている。
それと同時に、じんわりと全身が熱くなっていくのがわかった。


「あんた…いや…茉莉花に触ってもらって、ほれ、どんどん硬くなっていくぞい」


大家の言葉の通り、赤ん坊の腕くらいありそうな男性自信が漲っていくのがわかる。


「ほれ、見てみぃ」


そう大家が言うやいなや、今度はスラックスのジッパーを本当に下げ、硬くなったそのものをむんずと摘み、外気に晒した。


『あっ…、ス…スゴい…』


久しぶりに見る異性のシンボル。
しかも本物を直に。
昨夜からのことがまるでプロローグのように感じられ、茉莉花の胸は高鳴り、おかしな気分になってゆく。
逃げ出したいのに、大家の怒張に魅入られていくような気がしてならない。
背中がさらにカァっと熱くなり、代謝が促進されているのが自分でもわかる。


「儂は紳士的じゃからな。まずはキスからにするかのぉ」


大家との距離がいよいよなくなった。
茉莉花の肩と腰に大家の腕が回る。
ギュッと抱きしめられる形になり、茉莉花の全身は痺れ始めた。
大家は暗示を掛けるかのように、じっと茉莉花のことを見つめる。
茉莉花が顔を背けても、すぐに元に戻されてしまう。
老年とは言え、やはり男の力は強かった。
熱くいやらしい意思を持った眼差しで、瞳の奥を覗き込む大家。
それが持つ魔力によって、だんだんと茉莉花もうっとりとした目付きに変わっていくのだった。


『や…やだ、私…ほ…本当に変な気持ちになってる…』


抱き締められていることに、身体がむず痒いと訴えている。
本来なら嫌悪感のあるむず痒さのはずなのに、その反対であった。
性的快感のむず痒さを感じ始めていたのだ。


「さあ、直に握るんじゃ」


大家が茉莉花に自分の怒張を握るよう促す。
もちろん言葉だけでなく、茉莉花の腕を掴んで。
茉莉花の手に触れた生のそれは、想像以上の硬さだった。


「あっ…、す…すごく硬い…」


加齢とともに衰えるはずの性欲が、大家にとっては反比例しているのではないかと思えるほど、その怒張の硬さは見事だった。
うっとりしかけたところに、大家の唇と茉莉花の唇が重なった。
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