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ジャスミンの花は夜開く
第12章 困惑

昨日まではそこにファンシーケースが置かれていたので気がつかなかったが、夜になって電気を消してみると、その存在が大家の部屋の電灯が点いていることでわかったのだった。
茉莉花は恐る恐る、いや、かなりの好奇心からドアスコープを覗いてみる。
驚いたことに、こちらから大家の部屋がしっかりと見えるように取り付けられていた。
息を殺して目を凝らすと、大家が全裸で胡座をかいて座っているのが見えた。
『こ、これって、昨日見た夢…』
口を手で塞いで、息遣いが大家に悟られないよう気を付ける。
視界の端には女がいた。
「すいぶんお楽しみだったみたいね」
「庭先に影が動いたのがわかった。お前だったんだな。覗きも身に付いたか?」
「早めに帰って来たら、おかしな声が聞こえるんだもん」
艶めきを漂わせながら嫉妬の影も見え隠れする言い方だ。
昨日の夢ではわからなかった顔が、今夜ははっきりと見えた。
しかもこの声…。
103号室のホステス風情の女だった。
「これでヒーヒー言わせたんでしょ?」
大家の股間に顔を埋める。
「あの娘には尺八してもらえんかったからの」
103号室の女はいやらしい音を立てながら大家の生殖器を口で舐めている。
「おおー! 仕込んだ甲斐がある。絶品じゃ」
酒のせいなのか、茉莉花の身体は疼いて仕方なかった。
隣室の女はあの巨大な生殖器を完全に飲み込むように口に含んでいる。
「喉がだいぶ開いたようじゃな」
ジュポジュポという湿った音が壁と穴を通して聞こえて来る。
昨日の淫夢は夢ではなかったのだ。
この行為を壁越し、そして穴越しに聞かされていたのだ。
それを脳が映像にして茉莉花に夢を見させたのである。
『あ、あの夢は現実だったのね…』
人のセックスを、しかも、夕方に自分を抱いた男が、日を跨がずに違う女を抱いているのを見ている。
覗きの趣味は茉莉花にはなかったが、こんな機会に巡り合うこともなかった。
なぜか心がざわめく。
茉莉花は恐る恐る、いや、かなりの好奇心からドアスコープを覗いてみる。
驚いたことに、こちらから大家の部屋がしっかりと見えるように取り付けられていた。
息を殺して目を凝らすと、大家が全裸で胡座をかいて座っているのが見えた。
『こ、これって、昨日見た夢…』
口を手で塞いで、息遣いが大家に悟られないよう気を付ける。
視界の端には女がいた。
「すいぶんお楽しみだったみたいね」
「庭先に影が動いたのがわかった。お前だったんだな。覗きも身に付いたか?」
「早めに帰って来たら、おかしな声が聞こえるんだもん」
艶めきを漂わせながら嫉妬の影も見え隠れする言い方だ。
昨日の夢ではわからなかった顔が、今夜ははっきりと見えた。
しかもこの声…。
103号室のホステス風情の女だった。
「これでヒーヒー言わせたんでしょ?」
大家の股間に顔を埋める。
「あの娘には尺八してもらえんかったからの」
103号室の女はいやらしい音を立てながら大家の生殖器を口で舐めている。
「おおー! 仕込んだ甲斐がある。絶品じゃ」
酒のせいなのか、茉莉花の身体は疼いて仕方なかった。
隣室の女はあの巨大な生殖器を完全に飲み込むように口に含んでいる。
「喉がだいぶ開いたようじゃな」
ジュポジュポという湿った音が壁と穴を通して聞こえて来る。
昨日の淫夢は夢ではなかったのだ。
この行為を壁越し、そして穴越しに聞かされていたのだ。
それを脳が映像にして茉莉花に夢を見させたのである。
『あ、あの夢は現実だったのね…』
人のセックスを、しかも、夕方に自分を抱いた男が、日を跨がずに違う女を抱いているのを見ている。
覗きの趣味は茉莉花にはなかったが、こんな機会に巡り合うこともなかった。
なぜか心がざわめく。

