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そんなの聞いてない!!
第3章 ウソもホウベン
仕事終わりに外でメシを食ってから七隈を俺んちに連れてきた。
暑くて汗を流したくていっしょにシャワーを浴びてたらあたりまえにムラムラして、そのまま浴室内で1回戦。
俺の服を着て「先輩の匂い……好き」なんてつぶやく七隈がかわいくてソッコー寝室に連れていき2回戦。
そして今、疲れてウトウトしている七隈を抱きしめている。
――しまった。欲望のままに抱いてしまった。
すぐにでも寝てしまいそうな七隈をムリに起こしてまで話そうなんて気はないけど、何となく……打ち明けるなら今かな。と思って俺は口を開く。
「七隈。今から俺、好き勝手に話すけど寝ちゃってもいいから」
「……ん……?」
「もし、明日起きて七隈が覚えてなかったらまた話すから」
「……は……ぃ……」
かすかに返事をしながらも七隈の目は閉じられている。おそらくまどろんでる状態の七隈の頭を撫でる。
「俺のウワサあるだろ、『性欲ない』ってやつ。あれ、実はウソなんだ。女よけのために言ってただけで。でも、あながちウソでもないというか……」
興味ない女には一切、性欲が湧かなかった。
「他の人には笑えるほど反応しなかった。だけど七隈にはめちゃくちゃ反応する。七隈のことを考えたり、こうやってそばにいるだけでやばくて……なんだか、2度目の思春期を迎えた気分」
「……フッ……」
七隈が小さく笑う。
「でも、あんなウワサを広めたせいで七隈を悩ませてしまったならごめん。俺がもっと早く気持ちを伝えてたら……」
「先輩、待って」
どうやら目が覚めたようで七隈が俺を見る。
「ウワサは正直……信じてましたけど、先輩がそれに関して謝るのなら、私も謝らなきゃいけないことがあります」
「え……」
「2人で初めて飲んだあの日『性欲が強すぎて、困ってる』って相談しましたけど、あれウソです。性欲ないっていう先輩に相談するためのエサといいますか……」
「エサ……」