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青い煩い、少女の情動。
第9章 曖昧な心
『ちょっと寄り道しない?』

そう言われて立ち止まると、
目下に広がるのは公園。
ビルと民家に挟まれた小さな公園は、かろうじて滑り台があるぐらいの質素でこぢんまりとしたものだった。

[いいよ。]

無意識的に身体が強張る。
空色が暗くなり始めていた。

『とりあえず……座ろうか、』

2人掛けのベンチに15センチメートルの距離を開けて座った。
公園は酷く閑散としていて、遊ばれた形跡のない滑り台が寂しさを倍増させている。

横を見れない。

響君が今どんな顔をしているのか、知るのが怖かった。何故か身体のよく分からない所が痛い。

『ちょっと、話したいことがあるんだけど……。』

[何?]

来た。
どんなに深刻な悩みなのか……

『僕……今日、ある人に告白されたんだ。』

恋愛相談か……!?

あぁ、……ぃ、

頭の中で嫌な妄想が膨らんでウェルウィッチアのように雑多に茂っていく。

『僕は……、それには断ったんだけど、……』

隣から聞こえる呼吸は浅い。

『その時に気づいたんだ、僕は……ある人が好きなんだな、って』

私は泣きたい気持ちだった。
泣きたい気持ちだったと明確に言える程、衝動が込み上げてきた。
すぐに帰ってカビが生えるまで枕を濡らしていたい……。
頭の中で乱反射する響君の台詞だけが脳を蝕む。
しかし、友達として出来るだけのことはしたいとも思った。

『僕が誰かに好意を持ってもらっているように、その人のことを好きな人もきっと沢山いて……。』

あぁ、隕石落ちろ。
皆んなそろって居なくなれば、平等にアンハッピーだ。これで真の平等は達成だ。

『僕がうじうじしている間に、その人が……他の人と恋仲になってしまったら……、』
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