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青い煩い、少女の情動。
第7章 勉強会という名の……
『これ何?』
[これは男の子がね、気持ちよくなったら出すものなんだよ?]
『気持ちいい?』
[お湯に浸かって気持ちいい、とか耳掻きされて気持ちいい、とかとは違って、ここが気持ち良いって感じたんだよ?]
私はすっかり元気をなくして倒れてしまった悠寿の秘部を指さす。
『元に戻ってる……。』
悠寿君は自分のを見て驚いたようだ。
[つまりね、ひさが私の裸を見て興奮しちゃって、大きくなったそれが……気持ち良くなって、白いのを出して、元に戻ったってこと……。]
『こーふん?』
[ひさは私の裸を見てそうなったんでしょ?心臓がうるさくなって、息がはぁはぁならなかった?]
『うん、なった……。』
[そう。それが興奮したってこと。分かりやすくいえばえっちな気分になっちゃったってことかな。]
『えっちな気分……。』
どうやら悠寿君は思案に沈んでしまったようだ。兄弟揃って賢いのだろう。
[まぁともかく、一緒に湯船に浸かろっか?]
私たちはシャワーを浴びて、様々な邪念を洗い落とし、綺麗な身体で浴槽に入った。
身体が小さいといえど、流石に17歳女子と11歳男子が互いに足を伸ばしてくつろげるスペースなどないので、私が下に、悠寿君が上になって、同じ向きに重なってお湯に浸かっている。私の両手は悠寿君のお腹の上だ。ぷにぷにしてて気持ちいい。
[ひさ、さっきのことはにぃに内緒ね?]
賢い彼も本能的に分かっているだろう。これが悪いことではないにしろ、人に大っぴらに言えることではないと……。
『うん……。』
悠寿君はすっかり私に身体を預けて、気持ちよさそうにお湯に浸かっている。初めての経験に疲れたのだろう。
『僕、莉央お姉ちゃんのこと好き……。』
彼からそんな言葉が漏れた。それが恋愛云々ではなく、人間としての好きであることは充分に分かっている。それでも、バスケの先輩からの告白よりも数段嬉しいと感じたのは何故なのだろうか……。
『私もひさのこと好きだよ……。』
会ってまだ数十分にも関わらず、2人の間には壊れることの無い信頼関係が成立していた。悠寿君の小さい身体が私の身体にすっぽりと収まる。まだ、もう少しだけ……。心まであったかい気持ちにさせてくれる、小さい天使に私はまだ身を寄せていたいのだ。
そして十分間、2人は無言のままそのままでいた。