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青い煩い、少女の情動。
第8章 布団の香り、
[ううん……私がやりたくてやってるの。]

『そう、ありがとね……』

ここで感謝を伝えてくれる所が響君の良いところなのだ。

『じゃあ、気を取り直して勉強しようか?』

楽しかったのはそこまで。
次の瞬間からは恐怖の勉強地獄……。
後から思うと私の情けない姿を悠寿君が見なかったことだけが幸いだった。
…………
…………

外は大雨。内では数学。
もはや私に逃げ場などない。
数字と文字が私の上に降ってきては全身を殴打していた。

『……だから、d=4が分かって……って莉央?聞いてる?』

[ごめん、ぼーっとしてた。]

『もぅ……、いい?数列はやることさえ覚えたら後は簡単だから。最初だけ頑張ってね?』

響君は呆れたという感じではなく、少し怒っているという感じだった。証拠に頬が少し膨らんでいる。

なんで怒り方がそんなに可愛いんだろう……。

[分かった。頑張る。]

響君の簡単と私の簡単は大きな乖離がある。それは火を見るより明らかなのだが、彼の言う簡単すら理解できないようでは本当に呆れられてしまうので、頑張らなくては……。

[等差数列の一般項はan=a1+d(n-1)で……。]

階差数列はちょっと難しかったけれど、等差数列も等比数列も今のところギリ理解できている。シグマという謎記号も、響君に丁寧に教えてもらったら、だんだん授業の記憶が蘇ってきた。

[あぁ……なんか見覚えあるかも。kが1/2n(n+1)みたいになるやつ?]

私の記憶は全てうろ覚え。おまけにそれが何かはよく分かっていない。

『え?なんでそれだけ覚えてるの?』

[なんとなく……。]

そんな感じで、結構な時間をかけて階差数列まではクリアできたのだが……。

私は突然、背後から見えない拳で殴り飛ばされた。特性方程式?なにそれ?知らない。ドユコト?
分かりやすくパニックだ。
式の意味が分からなくてパニックなのだ。

[このαさんは何者?どこから現れたの?]

階差数列までは何がしたいのかが分かった。間の数がn-1個だから……とかそういうの。これに関しては全く理解ができない。何故君は方程式を解こうとしたのか、αはどっから出てきたのか?宇宙の広さを求めるほうが簡単かもしれない、とさえ思う。

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