この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い煩い、少女の情動。
第9章 曖昧な心
『ぁ、そういえば今日、都野先輩……、告白されてましたよ?』
ぇ、……今なんて……、
[詳しく、]
私は鬼のような形相で問う。
その後輩は、一瞬たじろいだがすぐに語り始めた。
『えっと、授業終わってすぐ、部活嫌だなーって思って屋上でごろごろしてたら……。』
一同から『おい』というツッコミが入る。
『都野先輩と、学年はよく分からないけど……女子生徒Aが屋上に上がって来ました。』
終始、何か骨張った手に心を掴まれた感じがしている。
『私のことは死角になってて見えてなかったんでしょうけど……女子生徒Aはそこで都野先輩に告白しました。思い出して見ると、顔は結構可愛かったと思います。』
気づくと部室内は静まり返っていて、
ごくり、という生唾を飲み込む音だけがコンクリートの壁に反響している。
『都野先輩は、驚いた表情をしました。
けれどすぐに平生に戻ってこう言いました。
"Aさんが僕に好意を持ってくれているのは嬉しい』
終わった……、
あぁ……、これからどうすればいいのか、
曇天で北極星を見失った難破船のような、暗澹とした気持ちが押し寄せる。
『けど、』
けど……?
『好きな人がいるから、Aさんの気持ちには応えられない"』
一同がわっ、と盛り上がった。
拍手が鳴り、視線が莉央に集まる。
なんでこっち見るの……
ぇ、……今なんて……、
[詳しく、]
私は鬼のような形相で問う。
その後輩は、一瞬たじろいだがすぐに語り始めた。
『えっと、授業終わってすぐ、部活嫌だなーって思って屋上でごろごろしてたら……。』
一同から『おい』というツッコミが入る。
『都野先輩と、学年はよく分からないけど……女子生徒Aが屋上に上がって来ました。』
終始、何か骨張った手に心を掴まれた感じがしている。
『私のことは死角になってて見えてなかったんでしょうけど……女子生徒Aはそこで都野先輩に告白しました。思い出して見ると、顔は結構可愛かったと思います。』
気づくと部室内は静まり返っていて、
ごくり、という生唾を飲み込む音だけがコンクリートの壁に反響している。
『都野先輩は、驚いた表情をしました。
けれどすぐに平生に戻ってこう言いました。
"Aさんが僕に好意を持ってくれているのは嬉しい』
終わった……、
あぁ……、これからどうすればいいのか、
曇天で北極星を見失った難破船のような、暗澹とした気持ちが押し寄せる。
『けど、』
けど……?
『好きな人がいるから、Aさんの気持ちには応えられない"』
一同がわっ、と盛り上がった。
拍手が鳴り、視線が莉央に集まる。
なんでこっち見るの……