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青い煩い、少女の情動。
第9章 曖昧な心
『ぁ、そういえば今日、都野先輩……、告白されてましたよ?』

ぇ、……今なんて……、

[詳しく、]

私は鬼のような形相で問う。
その後輩は、一瞬たじろいだがすぐに語り始めた。

『えっと、授業終わってすぐ、部活嫌だなーって思って屋上でごろごろしてたら……。』

一同から『おい』というツッコミが入る。

『都野先輩と、学年はよく分からないけど……女子生徒Aが屋上に上がって来ました。』

終始、何か骨張った手に心を掴まれた感じがしている。

『私のことは死角になってて見えてなかったんでしょうけど……女子生徒Aはそこで都野先輩に告白しました。思い出して見ると、顔は結構可愛かったと思います。』

気づくと部室内は静まり返っていて、
ごくり、という生唾を飲み込む音だけがコンクリートの壁に反響している。

『都野先輩は、驚いた表情をしました。
けれどすぐに平生に戻ってこう言いました。
"Aさんが僕に好意を持ってくれているのは嬉しい』

終わった……、
あぁ……、これからどうすればいいのか、
曇天で北極星を見失った難破船のような、暗澹とした気持ちが押し寄せる。

『けど、』

けど……?

『好きな人がいるから、Aさんの気持ちには応えられない"』

一同がわっ、と盛り上がった。
拍手が鳴り、視線が莉央に集まる。
なんでこっち見るの……

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